東海ちなヤクの巣@パワプロと大相撲番付予想

スポナビブログから引越し。スポナビブログ時代は、プロ野球(東京ヤクルト)を中心に、大相撲の話もちょろっとしてました。はてなブログでは、パワプロと大相撲(番付予想)を中心に展開していきます。

同じ95年度生まれとして、「がんばれ同級生!」 【#56 奥村展征】

プロ野球を「世代別」で見た時に、筆者の1個上、1994年度生まれの「大谷世代」のプロ野球選手は現在70人。今年、大谷世代の大卒ルーキーが入団したことで大きく増えたこともありますが、筆頭の大谷翔平(北海道日本ハム)をはじめとして藤浪晋太郎(阪神)、鈴木誠也(広島東洋)ら数多くの選手がプロで活躍しています。

そして筆者の1個下、1996年度生まれの世代は45人。代表的な選手は松本裕樹(福岡ソフトバンク)、飯塚悟史(横浜DeNA)、安樂智大(東北楽天)らが一軍でも実績を残し始めています。

その1994年と1996年に挟まれた、筆者と同級生の1995年度生まれのプロ野球選手は現在35人。

これは1997年度の38人、1998年度の44人より少ない数字で、今ドラフトでは土肥星也(千葉ロッテ)、高井俊(巨人)、木村敏靖(東北楽天)、山岡泰輔(オリックス)、藤谷洸介(阪神)、谷岡竜平(巨人)が新たにプロ入りを果たしましたが、昨年オフの段階で北之園隆生(元巨人)と児山祐斗(元東京ヤクルト)が3年目にして戦力外通告を受け、奥浪鏡(オリックス)も不祥事を原因として今年8月に自由契約となるなど、既に何人かがプロの世界から脱落もしています。

その、「谷間の世代」と言われがちな1995年度生まれ。

球界全体で見れば松井裕樹(東北楽天)、森友哉(埼玉西武)、上林誠知(福岡ソフトバンク)らが活躍し始めている中で、東京ヤクルトに所属する1995年度生まれの唯一の選手となるのが奥村展征です。

この奥村という選手。

プロ入りは2013年ドラフトで、巨人から4位指名を受けて入団。ファームでは1年目から86試合に出場し打率は.212、2本塁打20打点を記録し、将来を嘱望された選手でした。

その奥村の転機になったのがこの年のオフシーズン。当時東京ヤクルトに所属していた相川亮二がFA権を行使して巨人へ移籍、その人的補償として東京ヤクルトが獲得したのが奥村だったのです。

当時二遊間はセカンド山田哲人とショート大引啓次が基本形となっていましたが、大引は30代に入っており次世代のショート候補の育成は急務。奥村は谷内亮太や西浦直亨らとともに、「ポスト大引」のひとりとして期待を受けました。

しかし移籍後は腰痛に苦しみ、移籍1年目の2015年はわずか26試合の出場にとどまります。2年目の2016年はルーキーイヤーを上回る96試合に出場し、プロ入り初の一軍昇格を果たしますが、一軍ではノーヒット。二軍でも打率.215、3本塁打19打点に留まり、この年入団した高卒ルーキーの廣岡大志に一軍での初安打と初本塁打で先を越されるなど決して順調だとは言えませんでした。

そしてプロ4年目の今季、奥村は7月10日の二度目の一軍昇格時点までで二軍で69試合に出場し、内野手のレギュラーとして打率.246、2本塁打19打点をマーク。手薄となった内野手の補強として一軍昇格されると、昇格即の今季初スタメンとなる7月11日対巨人戦でプロ入り初ヒットを記録、その後もコンスタントにスタメン出場を重ねて7月月間で32打数10安打、打率.313の好成績を残すとここから一軍に定着しました。

今季シーズン通算ではここまで32試合に出場し打率.258、2打点をマーク。ショートのレギュラーが不在の中でアピールを重ねています。

この、今が売り出し時であり勝負所でもある奥村のアピールは、明るい材料が少ない今季の東京ヤクルトにとっては注視すべきポイント。

来年には奥村と同じ1995年度生まれの大卒ルーキーがドラフトにかかる年となります。大卒選手や、奥村と同じ内野手の選手をどれだけ指名するかは分かりませんが、奥村にとってはまた刺激が増えるシーズンになるでしょう。

その中で、もし奥村と同学年の内野手が増えれば自然とライバルが増えることになります。今の東京ヤクルトの遊撃手は谷内、西浦、廣岡、渡邉、そして奥村が大引の後釜を狙う「バトルロワイアル」の真っ最中。その中で今季、特に直近は西浦と併用されている現状は首脳陣へのアピールの絶好の機会で、このチャンスをモノにしたところで今季を終えたいでしょう。

しかしそれは西浦とて同じ。奥村には、奥村自身にしかない武器を今季掴んで、来季以降のさらなる飛躍に結び付けてくれればと思います。