東海ちなヤクの巣@パワプロと大相撲番付予想

スポナビブログから引越し。スポナビブログ時代は、プロ野球(東京ヤクルト)を中心に、大相撲の話もちょろっとしてました。はてなブログでは、パワプロと大相撲(番付予想)を中心に展開していきます。

東京ヤクルトスワローズ、戦力外通告選手の考察

今年も、プロ野球ファンにとっては辛い季節が来てしまいました。

戦力外通告

ヤクルト、14年ドラ1竹下ら11選手に戦力外通告

来るのは分かってはいるんですが、特に近年はこの季節が来るのが個人的には嫌でしょうがないんですが、でも来年を戦うためには受け入れざるを得ない。そういうものだと思っています。

10月1日からの第1次期間で東京ヤクルトから戦力外通告を受けたのは、以下の選手達。

投手:竹下真吾、土肥寛昌、日隈ジュリアス、徳山武陽、中島彰吾

捕手:星野雄大、新田玄気(育成)

内野手今浪隆博

外野手:飯原誉士、榎本葵、原泉

今回はあくまで客観的に書いていますが、それぞれの選手に思うことはやはりあります。プロの厳しい世界で活躍出来なかった悔しさも、やり切った達成感もひっくるめて、まずは「お疲れ様でした」。そして「ありがとう」。

また別の球団でプレーする選手、野球から離れる選手もいるでしょうが、新天地での活躍を期待しています。

では、選手ごとの考察。

成績は今季、10月2日終了時点です。

・竹下真吾

一軍:登板なし

二軍:20試合 0勝0敗0セーブ 防御率10.88

2014年ドラフト1位左腕も、一軍登板は2016年の1試合のみ、昨季は二軍ではは43試合に登板し防御率3.74とまずまずの成績だったものの、今季は課題の制球力を改善させることが出来ずに防御率10.88でフィニッシュ。せめてコントロールさえ人並みならもうちょっとチャンスはあったかなと思うけども、ただ成績を見るだけでもやはり厳しかったのかなと言う印象も否めない。

・土肥寛昌

一軍:4試合 0勝0敗0セーブ0ホールド 防御率3.60

二軍:47試合 2勝1敗1セーブ 防御率3.41

実は流れで見ると、一軍では昨季より今年、二軍でも2015年から今年にかけて成績は良化。二軍では今季がキャリアハイともいえる数字。これで戦力外通告を出されると言うことは、土肥が即戦力を期待されながら一軍では結果を残しきれなかった社会人出身の3年目だから、と言うことになるのでしょう。実際、土肥の何か他の選手にはない特徴は、と聞かれるとファンでも答えられないかもしれません。せめてその目に見えて分かる武器さえあったなら……といったのが正直なところ。

土肥は今季限りでの引退を表明しています。お疲れ様でした。

・日隈ジュリアス

一軍:登板なし

二軍:登板なし

5月にトミー・ジョン手術を受け、そのまま今季は一・二軍ともに登板なし。

徳山、竹下、土肥、中島投手、星野捕手、今浪内野手、飯原、榎本、原泉外野手が東京都内の球団事務所で、戦力外通告を受けました。また、田川投手も事務所を訪れ、来季も育成契約する予定。ジュリアス投手は自由契約となり、他球団からのオファーがなければ、育成選手として契約する見込みです。— サンスポ×スワローズ (@sanspo_swallows) 2017年10月3日

球団はひとまず来季育成契約での更新を考えているようなので、ジュリアスについての言及はパス。

同じく、まだ正式に通告を受けていない田川賢吾についても今回はスルーします。

・徳山武陽

一軍:登板なし

二軍:34試合 4勝1敗0セーブ 防御率1.66

恐らく今季、一番「納得がいかない選手」と言ってもいいのはこの徳山。昨年9月に国指定の難病である黄色靭帯骨化症を発症し、今季はその復帰を目指すシーズンとなりました。かつて2015年はロングリリーフとして39試合に登板し優勝に貢献した投手で、ファームでも9月下旬には打者27人で完封勝利を挙げるという活躍を見せるなど、二軍の成績だけを見ても本来通告を受けるべきではないはず。それだけにやはり腑に落ちない感はありますが、しかし能力や実績はあって今季二軍でしっかりやれている姿は見せられているので、是非他球団へお勧めしたいし何なら見返してほしい。

・中島彰吾

一軍:2試合 0勝0敗0セーブ0ホールド 防御率13.50

二軍:39試合 5勝6敗0セーブ 防御率4.41

育成選手から支配下登録を果たし、3年での戦力外通告。中島の場合、今季はとにかく安定感がなかったのがネックだったのでしょうか。中島は土肥とは逆に、登板数の差こそあれルーキーイヤーから防御率は悪化してしまっているというデータがあって、それを鑑みて成績だけ見れば仕方ないのかなと言う面もあります。それでも大卒投手という点を含めて、あと1年は見たかった。

・星野雄大

一軍:1試合 打率.—(0-0) 0本塁打0打点0盗塁

二軍:52試合 打率.221(86-19) 0本塁打5打点0盗塁

独立リーグ出身で、今季29歳。同じく独立リーグ出身の大村孟が加入し、高卒では山川晃司と古賀優大の若手2人がひしめく中で、星野は打撃でも守備でもアピールしきれなかった感。6月にプロ初昇格を果たし初出場も果たしましたが、結果的には思い出出場のような形になってしまいました。二軍成績も、29歳と言う年齢を考えればこの数字はやはり寂しいか。

実弟福岡ソフトバンクホークス・星野大地も同じく戦力外通告を受けてしまいましたが、兄弟でどの進路を目指すのかは注目したいと思います。

新田玄気

一軍:出場なし

二軍:3試合 打率.—(0-0) 0本塁打0打点0盗塁

選手不足を補うために、6月に育成選手登録を受けて3年ぶりに現役復帰。出場は3試合のみでした。

2015年にも打撃投手から現役復帰した阿部健太という例もありますが、本来はチームスタッフを現役復帰させるなどはあってはならない事態。新田に対しては「本当にありがとうございました」という言葉をかけたいですが、球団はちょっといろいろ考えてもらわないといけないでしょう。

今浪隆博

一軍:7試合 打率.267(15-4) 0本塁打2打点0盗塁

二軍:29試合 打率.375(56-21) 2本塁打10打点0盗塁

ヤクルト今浪引退「僕の体では戦えない、橋本病」

今浪の場合、成績で語るというよりかは病気によって選手生命を絶たれたと言ったほうが正確な気がします。今季も一軍で打率.267、二軍で.375と打席数が少ないながら結果は残していますし、体調さえ万全なら、病気さえなければ本来は引退と言う決断などしなくてよかった選手のはずです。

それだけに今浪の病気発症、そして引退はとてもつらいし、チームにとっても痛手です。それでも本人が考えて引退を決断したのですから、尊重はしたい。でも、今季スワローズクルーユニに今浪の背番号を入れた身としては、しばらく受け入れられそうにはありません。

飯原誉士

一軍:17試合 打率.188(16-3) 0本塁打0打点0盗塁

二軍:65試合 打率.251(203-51) 4本塁打24打点2盗塁

今季戦力外通告を受けた選手の中で、恐らく実績があるのがこの飯原。近年は一軍で成績不振が続き、今季はほぼ二軍暮らしが続いてはいました。

34歳と言う年齢と成績を考えてみれば残念ながら順当だとも思うのですが、一方で球団から打診されたフロント入りを蹴って他球団での現役続行を希望。本来の調子さえ取り戻せれば、一軍でもまだ十分活躍できる力は残っていると思うので、その逆襲に期待したいです。

・榎本葵

一軍:9試合 打率.143(7-1) 0本塁打0打点0盗塁

二軍:104試合 打率.229(314-72) 4本塁打35打点13盗塁

かつて東北楽天でトッププロスペクトとして期待された選手で、今季その東北楽天から移籍。若手外野手陣の一角として期待され、開幕一軍入りも果たしましたが、一軍では1安打のみ。二軍でも打率.229と低く、期待に応えることは出来ませんでした。

とは言えドラフト情勢や25歳と言う年齢、そして戦力外からの移籍1年目と言うことで榎本に通告が来たのは個人的には予想外でした。前述しましたが外野手陣が飯原、榎本、原と一気に3人が抜けるのでその点はどうなんだろうかとは思いますが、逆に言うと守備がそれほど秀でているわけでもなく、打撃でも結果を残すことのできなかった榎本に対する球団の評価が低かったと言うことなのか……とも思います。

・原泉

一軍:出場なし

二軍:109試合 打率.215(316-68) 11本塁打48打点5盗塁

パワーがウリの選手で、二軍では通算3年で20本塁打。今季はキャリアハイの11本塁打を放ち、また5盗塁を決めるなど足があるところも見せたシーズンではありました。しかし打率.215はやはり低い水準で、この確実性のなさ……二軍3年で通算.201……が打撃でのネックになった印象。原泉に関しては、二軍の選手不足から本職の外野手ではなくサードを守る場面も多くみられ、その点は原が守備でつぶしが効くような選手ではなかったとはいえ酷だった印象も見え隠れします。それでもそのパワーを、一軍で見たかったという気持ちもやはりあります。

以上が、東京ヤクルトの第1次戦力外通告を受けた選手達の筆者なりの考察。

戦力外通告にはこの後第2次期間もありますが、すでに支配下登録選手を10人リリースしているので恐らく第2次では動きはないかと思います。

各選手に対して思い入れがあるだけに、考察を書く途中思わず目頭が熱くなるような選手もいましたが、まずは「スワローズに来てくれてありがとう」。

そして、新天地での活躍を祈念しています。