8月23日阪神戦、この日先発だった原樹理の成績は5回5失点。2本塁打を浴びるなど7安打を許し、自身3連敗の9敗目を喫してしまいました。
6月15日対東北楽天戦で9回2失点完投を挙げてから、まる2か月以上白星から遠ざかって2勝9敗。借金7をひとりで抱え込み、今月は3試合に先発して防御率は7.88。いずれも5,6回を5失点前後と完全に試合を壊してしまっており、10試合連続で被本塁打を浴びるなど、まさにドツボにハマってしまっています。
それでも、8月に絶不調に陥るまでの防御率は3.71とまだ悪くない数字。実際、「援護されあれば……」と言った試合も何回かありました。
この、原樹理という投手。
2015年ドラフトで高山俊の外れ1位でスワローズにドラフト1位で指名され、昨季は13試合に登板し2勝8敗、防御率5.91。
今季は21試合に登板。開幕時は中継ぎとして登板を重ねて5月後半から先発ローテーションに定着し、2勝9敗で防御率は4.41。
この2年間で通算4勝17敗と大きく負け越してしまっていますが、スタッツで見れば防御率、BB/9(与四球率)、K/9(奪三振率)、K/BB(奪三振÷四球)、WHIPなどは昨季よりは良化。ところが被本塁打は昨季4本だったのが今季は8月24日時点で18本と大幅に悪化しており、この「飛翔癖」が今季の原樹理の大きな課題となってしまっています。
あくまで個人的な体感ですが、Twitterでは予告先発原樹理がコールされると、最近は重い空気になってしまっていると感じます。知り合いの人にはなかなか原樹理を認めないファンの方もいて、試合を作れず降板するたびに「あれはこんなもん」といった態度を見せてくるのもあって、筆者としては忸怩たる思いを抱えている次第であります。
だからこそ、筆者が原樹理のことを考えるたびに思い出すピッチングがあります。
それはルーキーイヤーのオープン戦。2016年3月12日、福岡ヤフオク! ドームでの福岡ソフトバンクホークス戦。
ドライチルーキーとして期待を受けて登板した原樹理は強力ホークス打線を相手に、オープン戦とはいえ5回無失点の好投を見せ、「これはええの獲ったわ!」とわくわくした、そんな記憶があります。
それだけのポテンシャルがあるからこそ、一ファンである筆者は原樹理の現状を見ていると、かなり歯がゆい感情を抱きます。
恐らく、思うように成績を残せずチームに貢献出来ていないと、原樹理自身も思っているでしょう。
だからこそ、原樹理を応援したい。
原樹理と大学時代に東都大学リーグで互いに争い、4年秋の入れ替え戦で熾烈な戦いを演じた今永昇太は、同じく2015年ドラフトで横浜DeNAに1位指名されると、1年目は無援護に苦しみながら8勝をマーク。今季は球団左腕では2005年の土肥義弘以来となる2ケタ、10勝を挙げてベイスターズのエースとして活躍しています。
それだけの選手と競っていた頃の原樹理を、プロの世界で見たい。
実は今年、プロに入って初となる原樹理と今永が投げ合った試合がありました。
7月18日、横浜スタジアムでの横浜DeNA対東京ヤクルト戦。この日は互いに好投を見せ、原樹理は6回2失点。今永はそれを上回る7回途中無失点の好投で6勝目を掴み、今永が原樹理に雪辱を果たした試合となりました。
この「因縁の対決」をもう一度。今度は出来れば神宮で、原樹理が制する試合を筆者は見たいんです。
今は辛い時期だとは思いますが、応援してくれる人はたくさんいる。
苦しい時、辛い時、それを乗り越えてこその夢や希望を与えるプロ野球選手だと思えば、まだまだ2年目の原樹理は駆け出しの存在。
この挫折を乗り越えて、スワローズになくてはならない投手になるように成長し、プロの世界でも今永と切磋琢磨して活躍して欲しいと願っています。