2017年8月23日対阪神戦。
ウラディミール・バレンティンが放った27号2ランは、来日通算212本目。これまで球団記録だったアレックス・ラミレス(現横浜DeNA監督)を抜き、外国人選手では球団最多を更新しました。
バレンティンはこの2224日の阪神3連戦で2発を記録。特に7月は11本塁打、8月は24日時点で8本塁打を放ってチャージをかけ、本塁打王争いも1位のアレックス・ゲレーロ(中日)に3本差と迫る28本まで追い上げています。
このバレンティンという男。
2011年に来日し、そこから3年連続で本塁打王を獲得。2013年にはNPBシーズン記録を更新する60本塁打を放つなど、スワローズ単体どころかNPB全体でも「最強助っ人」の中に入ってくるかも知れない、そんな選手となっています。
とは言え、スワローズファンならご存知の方も多いと思いますが、バレンティンはやんちゃで、おちゃめの気がある人。言い方を変えれば気分屋で、打撃好調な時は守備でもいい動きを見せることも多いのですが、反対にそうでない時は守備でも緩慢な動きを見せてしまう。プレー中だけでもそんな感じでムラッ気のある選手なので、見ている分にはバレンティンほど「ハラハラする」という形容詞が合うのもないかなぁと思います。最近はケガしがちなのでなおさら。
そんなバレンティン。
頼れる主砲であり、WBCではオランダ代表として名だたるメジャーリーガーとともに2大会連続ベスト4に導いた偉大な打者であると同時に、親心をくすぐられる気もある選手ですが、「バレンティンとともに優勝を飾った」といえるシーズンは実はない。
正確には2015年にスワローズはリーグ優勝を果たしていますが、この年バレンティンは長期離脱していて出場は9月の15試合のみ。本塁打は1本のみに留まり、打率.186と低迷して「貢献した」とは言えない成績に終始しています。
来日1年目の2011年はバレンティンの活躍とともに首位を走っていましたが、そのバットが冷え込むとともにチームの調子も落ちて最終的には2位に転落。2012年は3位に終わり、60本塁打を放った2013年は最下位。
ここ5年は、バレンティンの活躍度合いとチーム順位が反比例してしまっているのは非常にもったいないというか、本人も残念だとは思います。今季も今季で最下位を独走してしまっているので、その点では運がないというか、なんともはや。
だからこそ、近年はオフになるとバレンティンの動向がざわつくことも多くなりましたが、出来れば長くスワローズにいてほしい。
2017年WBCのあと、バレンティンはメジャー復帰の可能性を示唆しました。33歳はメジャー復帰という点ではかなりギリギリの選択になるとは思いますし、本人の意思を尊重すべきだとも思うのであまり言うことはできません。
ただ、一ファンの希望としては長く見ていたい。このままフルで出場出来れば、最短で2019年には外国人枠を外れるはずなので、その年あたりまでスワローズでプレーしてくれればとは筆者の願い。
来季すぐもちょっと難しいとしても、やはりバレンティンが主戦で活躍している中でリーグ優勝、出来れば日本一を達成して、歓喜の輪の中心にいてほしいという気持ちが大きいです。その後であれば、例えば同じ2015年であれば、トニー・バーネットのように気持ちよく送り出せるかもしれない。