本当はきのうのうちに書けばよかったんでしょうが、あいにくいろいろな理由がありまして書けなかったことがひとつ。
おととい、9月7日の横浜スタジアムでの横浜DeNAベイスターズ戦。この日、来日初先発を果たしたブレストン・ギルメットは、横浜DeNA打線を相手に7回を投げて被安打はわずか2。与四死球は2、7奪三振無失点の好投を見せて来日初先発で初勝利を飾りました。
思えば、このギルメットという投手。
当初はリリーフ投手として期待されて入団。しかし開幕一軍入りを果たすもののすぐに登録を抹消され、4月下旬に登録されたかと思えば6月上旬にまたしても降格。この間、5月31日の京セラドーム大阪でのオリックス・バファローズ戦で駿太にサヨナラヒットを打たれたシーンも筆者は生で見ています。
その後も6月中旬に登録されて下旬に抹消、7月中旬に登録されて下旬に抹消と頻繁に一軍と二軍を行き来して、先日9月7日が実に5度目の一軍昇格を果たしたばかりでした。
中継ぎとしてのギルメットは、速球がハマれば面白い投手という印象。しかし絶対的でもないだけに調子が悪ければピンチを作りやすく、ともすればスコーンと打たれてしまう感じでした。中継ぎとして最後に登板した7月21日の時点でシーズン防御率は4.35と、決してよくは言えない数字に終始していたのがそれを表しています。
ところが、来日初先発となった7日の試合はランナーを出したのがヒットの2回、与四死球の2回のみ。横浜DeNA打線を交わし、最終的には7回を投げ切って無失点に抑えました。
この試合は打線が横浜DeNAの先発・今永昇太を早々に打ち込み、最終的には11点を奪う猛攻を見せて大量援護をプレゼントしたという面もありましたが、それを差し引いてもワンサイドゲームに持ち込んだのはギルメットの好投あってこそでしょう。
ギルメットは7月下旬の4度目の二軍降格後、先発として登板を重ねていました。
7月27日横浜DeNA戦は3回3失点。
8月2日千葉ロッテ戦は4回3失点。
8月9日東北楽天戦は4.2回1失点。
8月20日東北楽天戦は5回3失点。
9月1日横浜DeNA戦は6回2失点(自責1)。
数字としてはそこまで圧倒的でもありません。ファンもギルメットの先発調整は知っていてもそこまで期待はしていなかったのが正直なところではなかったでしょうか。
しかし結果はいい意味で裏切ってくれた。もちろん多少の運はあったと思いますが、着実に二軍で調整し、一軍で持てる力を存分に発揮したのはギルメットと、あと二軍首脳陣の勝利でしょう。
ところで。
燕9連敗中「知らなかった」男が止めた!ギルメット、来日初先発で初勝利
当日のニュース記事より。ギルメットが9連敗を知らなかったかどうかは実際は知りません。もしかしたら誤訳の可能性もあるかも? とはTwitterのタイムラインに流れていた感想のひとつでしたが、もし知らなかったのが事実だったとすれば変に気負わなかった結果かもしれません。
来季残留に向けて大きく歩を進めたギルメットの、本番は次回の先発登板。ここで真価を発揮すれば、残留、そして2年目の飛躍もあるのではないでしょうか。