東海ちなヤクの巣@パワプロと大相撲番付予想

スポナビブログから引越し。スポナビブログ時代は、プロ野球(東京ヤクルト)を中心に、大相撲の話もちょろっとしてました。はてなブログでは、パワプロと大相撲(番付予想)を中心に展開していきます。

"Never too late"の体現が、彼に課せられた使命。 【#35 菊沢竜佑】

“Never too late”。

「遅すぎることはない」、という意味の英文です。

これは、9月12日にプロ初登板を果たした東京ヤクルトスワローズのドラフト6位ルーキー、菊沢竜佑の座右の銘でもあります。

菊沢は1988年5月16日生まれ。いわゆる「ハンカチ世代」のひとりで、きょう(日本時間で)日米通算150勝をマークしたニューヨーク・ヤンキース田中将大ロサンゼルス・ドジャース前田健太、日本球界では巨人・坂本勇人埼玉西武秋山翔吾らと同級生に当たります。

その菊沢の球歴はまさに「異色」。秋田高校、立教大を経て横浜金港クラブ、アメリカ独立リーグ、さらに軟式野球の相双リテックを経てのドラフト指名。指名時ですでに28歳の高齢でのプロ入りとなりました。

オープン戦では一軍に帯同しましたが、プロの壁に跳ね返されてわずか2登板でファーム行き。二軍でもここまで31試合に登板して防御率7.09と、甘めに見ても厳しい成績に終始してしまっています。それでも、低迷するチームの中で9月12日に一軍初昇格。即日、ホーム神宮での中日戦でプロ初登板を果たしました。

結果は2イニング、9人の打者を相手に被安打3、被本塁打1、2奪三振、2与四球、2失点。残念ながら、納得のいく登板とはなりませんでした。

傍目に見れば、あえて失礼ながら言いますと、「最下位を独走するチーム」で「ドラフト最下位指名」の、「二軍ですら防御率7点台」であり「今季すでに29歳を迎えたオールドルーキー」の「決して褒められないプロ初登板」でしかない、9月12日対中日戦の菊沢のプロデビュー登板。

ただ、だからこそ吐いて捨てていいのかというと、もちろんそうではない。

そう、”Never too late”。「遅すぎることはない」のだから。

初めての登板は、ほろ苦いものになってしまった。しかし、菊沢は1試合で二軍に落とされず、一軍に登録され続けることでリベンジの機会を待つことになりました。

菊沢が次に登板するとすれば、デビュー戦と同じく敗戦処理の場面となるでしょう。その「2試合目」で、前回からどれだけ挽回することが出来るか。

プロで飯を食っていく以上は、どれだけ彼我の力量差が目に見えて分かっていても、逃げずに戦わなければならない。

前回の苦い記憶をどう乗り越えるか、その2試合目こそがリベンジの機会でもあり、菊沢の真価が試される場所でもあります。

菊沢の歩んできた道は、途中からは確かにアンダーグラウンドだったでしょう。正統派のスター街道ではありませんでした。

しかし、曲がりなりにもプロ野球の舞台に足を踏み入れたことで、スター街道へ戻る挑戦権を手にしました。それを我が物に出来るかどうか。

次回登板で、菊沢は自分のピッチングを見せられるか。注目したいと思います。