10月3日、巨人相手のシーズン最終戦に6-10で逆転負けを喫してから、早1週間が経とうとしています。
その間に東京ヤクルトは、後任に小川淳司シニアディレクターの就任、また宮本慎也の一軍ヘッドコーチ就任をはじめとして来季に向けての様々なニュースが入っています。
コーチ陣に関してはこのほかに、今季広島東洋でリーグ2連覇に貢献した石井琢朗・河田雄祐両コーチの招聘に関する記事も上がっていましたが、まだ広島東洋はこれからクライマックスシリーズ、日本シリーズとあって正式な発表はその後だと思うので、この件に関してはまた今度。
今回の記事では、選手に関する話題をふたつほど。
【巨人】バレンティン&ゲレーロ、主砲獲りへ調査開始 FA戦線の牧田、増井、宮西も注視
ヤクルト、清宮1位明言 年内SD兼任の小川監督「たぶん行きます」
この、バレンティンの去就と清宮の指名について一つずつ考察していこうと思います。
まずバレンティンについて。
「残留するか」「移籍退団するか」のふたつで、それぞれ考え得るメリットとデメリットを考えると以下の通り。
【残留・メリット】
→今季チーム最多の32本塁打を放った一発のある選手を流出させないことによる、戦力確保+他球団の戦力アップ阻止
→人気選手でもあるため、グッズ販売の意味でも流出を防ぐだけでも意味が出てくる
【残留・デメリット】
→来季34歳を迎え、ケガと年々劣化していく守備・走塁に不安を抱えながらのプレーはリスクもある
→レギュラーとしての起用が前提のため、若手選手を試す枠が減る
→高騰する年俸を支払うことで、チームの財政を圧迫しがちになる
【放出・メリット】
→レギュラーの一角で34歳を迎えるバレンティンを放出することで、山崎晃大朗をはじめとする若手の外野手を育成する枠が増える
→守備的に大きな穴となっていたレフトを、バレンティンより守備の上手い選手で固めることもできる
→外国人枠がひとつ減って、新外国人選手を一枠多く登録できる
【放出・デメリット】
→長打力のある選手を放出することになるため、今季ただでさえ欠乏していた長打力が山田哲人や新戦力頼りになってさらに不安定になる
→バレンティンの代わりとなる新外国人選手が、バレンティン級の成績を残せるとは限らない
箇条書きでは放出のメリット・残留のデメリットをひとつずつ多く挙げてしまっていますが、個人的には「残留」をお願いしたいところ。
もちろん感情的な理由もありますが、やはり今季明らかに長打力が足りなかった東京ヤクルトにおいて、その貴重な長打を期待できる選手をひとりみすみす放出させるのはあまりに惜しい。やる気さえ出せば守備でも素晴らしいプレーを見せることもあるので、そこまで考えれば残留するメリットの方が「球団」としては大きいはず。もちろんバレンティン自身の意志も重要なキーにはなりますが……。
続いて清宮への考察。清宮の場合はドラフトで恐らく競合不可避でしょうから、「指名→交渉権獲得」「指名→交渉権獲得失敗(ハズレ)」「指名回避」というパターンがあると思いますが、今回ははハズレを指名回避とまとめて考えます。
【獲得・メリット】
→屈指の人気選手であるため、まず営業面での利益が大きい
→東京ヤクルトは山田哲人を始め野手の育成には定評はあるので、清宮が慣れ親しんだ神宮が本拠地であるという点も清宮にとっては有益ではないか
【獲得・デメリット】
→東京ヤクルトは現状言ってしまえばセカンド以外はほぼ補強ポイントと言えるため、もう一つの重要な補強ポイントである投手に関しては後手を取ってしまうこと
【回避・メリット】
→補強ポイントのひとつである投手に集中することが出来る
【回避・デメリット】
→人気選手である清宮を逃すことによる、営業面での不利益
→一塁手も補強ポイントであるため、清宮を逃してしまうとまた解決が延び延びになる
まずドラフトで競合した場合当たりくじを引かないとお話にならないのと、同じく補強ポイントである投手陣の強化とは表裏一体になるかとは思いますが、基本的には獲得によるデメリットはない選手です。獲得できればもうけもの、外れてもともとくらいで筆者はいいと思っています。
なので、「当たりくじを絶対引け」とはちょっと言えませんが、ぜひ引いて入団して欲しいと言うのが正直なところ。
清宮に関しては、ドラフト前の「面談」が大きな話題を呼んでいます。個人的にはあまり気にならないんですが、ドラフト制度の根幹を揺るがすかもしれないという点では危険視しなければいけないのかとも思います。
ひとことでまとめると、バレンティンは「残留」、清宮は「指名」が筆者の見解というか希望。
これからどう推移するかは神のみぞ知ると言うところでしょうが、どちらに転んでもまずは今オフどう動くかで東京ヤクルトがどれだけ巻き返しを図るかが決まるので、慎重に見ていきたいところです。