東海ちなヤクの巣@パワプロと大相撲番付予想

スポナビブログから引越し。スポナビブログ時代は、プロ野球(東京ヤクルト)を中心に、大相撲の話もちょろっとしてました。はてなブログでは、パワプロと大相撲(番付予想)を中心に展開していきます。

球場観戦のヤジ、みなさんはどう思いますか?【結果とその考察】

※この記事は、球場観戦のヤジ、みなさんはどう思いますか?【アンケート誘導】に対するレスポンスとなります。

 

2017年10月17日にアンケートを設けまして、11月2日まで回答期間としたところ、205件の回答を頂きました。お時間を頂いてご回答いただき、ありがとうございます。

不特定多数の方に向けてのアンケート制作は初めてでして、「設問を具体的にしてほしかった」と言うご意見もいただきましたが、今回のアンケートの結果や経験を踏まえて以降はさらによりよりアンケートを作るようにしていきます。

とは言え、読者の皆さんもご周知のとおりだとは思いますがスポナビブログが2018年1月いっぱいをもってサービスを終了するとのことですので、この記事の次の記事で最終更新として、以降ははてなブログで更新を続けます。はてなブログのほうはまだ引越しを済ませていないので何もない状態ですが、1週間以内には引越しを行ってはてなブログで更新を行いますので、もしこれまでの記事を読んでくださって気に頂けましたらブックマーク等をお願いします。

 

 

 

それでは、本題に参ります。

 

まず、設問とその回答。

 

自由回答の設問において、ブログ記事での回答の公開を許可しますか。

1.許可する:165(80.5%)

2.許可しない:40(19.5%)

これは、後述の「ヤジに対する自由回答」へのレスポンスとなります。回答は「許可する」としていただいた55件のコメントを、別途スプレッドシートにまとめておりますので、お時間がありましたらご覧いただけたらと思います。

なお公開用のスプレッドシートは、下記の選択肢との回答のみを表示しています。ご了承ください。

 

あなたの性別と年齢を答えてください。(任意)

男性or女性:10歳・2029歳・30歳39歳・4049歳・5059歳・60歳

性別・年齢は任意の集計としました。スプレッドシートのタブ「属性別統計」に反映するための設問です。

 

あなたが最も好きな(ファンである)チームはどの球団ですか。

NPB各12球団+独立リーグ、「特になし」の14個の選択肢を設けました。

内訳としては、トップ3が東京ヤクルト(60票、29.3%)、広島東洋(41票、20%)、横浜DeNA(33票、16.1%)。このブログが東京ヤクルトを中心に更新しているものなので東京ヤクルトが多いのは予想していましたが、以降はスポナビブログでもよくアクセス上位に顔を出すチームが来たかなと言う感じです。それに巨人、中日、阪神を含めたセ・リーグが3/4近くを占めるのに対し、パ・リーグは1/4程度でしたので、「属性別統計」のファンチームの項では下記の「よく行く球場」とひっくるめて、「セ・リーグ+東日本の休場」「セ・リーグ+西日本の休場」「パ・リーグ+特になし+地方球場」の3つに分けて統計を取っています。

 

次のうち、あなたが最もよく行く球場をお答えください。

NPB12球団の本拠地球場+独立リーグ開催球場、その他地方球場(二軍本拠地)の14個の選択肢を設けました。

 

あなたは、球場観戦にどの頻度で行きますか。次のうち近いものをお選びください。

1.1年に12回:101(49.5%)

2.1か月に12回:77(37.7%)

3.1週間に1回:14(6.9%)

4.1週間に複数回:12(5.9%)

文字通り、球場観戦に年単位でどれだけ行くかの選択肢。本来は回答必須の設問にする予定でしたが、途中まで設定ミスで必須の質問になっていなかったので、この項の総回答数は204となっています。

結果としては、「1年に12回行く」という回答が一番多かったです。以下頻度が高い順に回答数が少なくなりました。

「属性別統計」では、1週間に1回以上行く2つの選択肢をまとめて統計を出しています。

 

あなたは、球場観戦におけるヤジ全体に対して、どの程度まで許容できますか。次のうち近いものをお選びください。

1.全て許容できる:19(9.3%)

2.応援団主導でなく、個人が発するのであれば構わない:100(48.8%)

3.許容できないが、我慢する:67(32.7%)

4.全く許容できない:19(9.3%)

ヤジ全体に関する許容範囲を問う設問。過半数に近い票数を占めたのは「応援団主導でなく、個人が発するのであれば構わない」という回答で、「応援団がヤジ(またはそれに値する内容の言葉)を飛ばすかどうか」がボーダーラインになるかと思います。

その次に多いのが「許容できないが、我慢する」という回答で、「全て許容できる」と「全く許容できない」という正反対の回答が同じ票数となりました。

 

あなた自身がヤジを発することに対して、抵抗はありますか。次のうち近いものをお選びください。

1.全く抵抗はない:13(6.3%)

2.あまり抵抗はない:52(25.4%)

3.やや抵抗がある:48(23.4%)

4.かなり抵抗がある:92(44.9%)

野球観戦において、自身がヤジを飛ばすことについての設問。半分弱を占めたのが「かなり抵抗がある」で、「やや抵抗がある」を含めると2/3以上が「抵抗がある」という結果となりました。一方で「抵抗がない」と言う方も3割ほどを占めており、「属性別統計」にもありますが年齢が上がるほど「抵抗がない」とする回答の割合が増えていました。

 

あなたの周りでもしヤジが聞こえた場合あなた自身がどう思うか、次のうち近いものをお選びください。

1.完全に許容できる/許せる:20(9.8%)

2.笑えるものなら許容できる/許せる:110(53.7%)

3.笑えないものは許容できない/許せない:59(28.8%)

4.全く許容できない/許せない:16(7.8%)

自分ではなく、周りからヤジが飛んで来た時にどう思うかを問う設問。の「自分が発するかどうか」では「抵抗がある」に2/3ほどの票が入りましたが、受動的となると「笑えるものなら許容できる」と言う意見が過半数を占めました。2番目に多いのが「笑えないものは許容できない」という回答。

選択肢を作成した後に振り返って、「笑えるものなら許容できる、笑えないものは許容できない」はひとまとめにすべきだったかなとは思いますが、ともあれある程度は許容できるという方が8割以上を占めるという結果となりました。「自分がヤジを発するのはためらうが、他人のヤジを聞くのはそこまで」、と言う考えの方が多いのかなと思います。

 

球場観戦のルール・マナーにおいて、ヤジに対して規制すべきかどうか、あなたの考えのうち次から近いものをお選びください。

1.球団・球場主導で強く規制すべき:47(22.9%)

2.応援団による勧告程度にとどめるべき:90(43.9%)

3.規制すべきでない:68(33.2%)

ヤジに対して、どこまで規制を求めるかの設問。「応援団による勧告程度にとどめるべき」が約44%を占めており、「ガチガチの規制までは求めないけど、ある程度の自制は求めたい」という意見が多いのかなと思います。

 

以上が、選択肢のある設問の回答。

傾向として、ファンの方はヤジに対して「自分で飛ばすのは抵抗があるけど、他人が飛ばしたものを聞くのはそこまででもない」と言う思考の方が多いのかなという印象。その、自分が飛ばすのに比べて「抵抗がない」他人のヤジに対しても、多かったのは「笑えるヤジ」への寛容さ。もちろん笑いのレベルは千差万別なので一定の定義は出来ませんが、ユーモアのある内容であれば許容できる、と言う方が多いのは印象的ではないでしょうか。

例えば又聞きではありますが、当時阪神選手で連続試合フルイニング出場を続けていた金本知憲が、その連続出場を途切れさせた試合。普段の打順である4番に金本の名がなく、そのまま8番まで発表を終え投手の打順になった時に、「まさか投げるんか!?」と言った方がいたらしいです。このレベルであれば恐らく多くの方がクスッと来ると思いますが、これがだんだんと「攻めた内容」になった時にどうかなと言う感じ。

 

ヤジに関して、選手側の認識で筆者の印象に残っているのは、かつて西武、中日で活躍した和田一浩の話。和田はヤジに関して、「自分が受けるヤジは『ハゲ』しかない」と言う旨の事を言っていましたが、この「ハゲ」と言う言葉をどう捉えるか。それに縁がない(と思う、思い込んでいる)方は笑って済ませるかも知れませんが、悩んでいる方からしたら気持ちいいものではないかもしれない。そのボーダーラインの見極めは、すごく難しいんです。

特に球場観戦となると万単位の人が集まるわけなので、不特定多数の100%が納得する提案は恐らくないと思います。ただ、その不特定多数の万単位の人々が集まるからこそ球場内のルールだったりマナーだったりがあるので、「自由度」と「マナー」のバランスをどこまで求めるのか、と言うのは今だからこそファン全体で考える必要があるのではないかと思います。

 

 

 

ここまでの回答結果を踏まえた上で、自由回答の設問。

その他、ヤジに対してあなた自身が思われることがあれば、ご自由に記述してください。

これに寄せられた回答を、の設問への回答ごとに分けて紹介していきます。なお、回答は一部編集(長い回答は一部省略)しておりますので、原文を確認したい方はスプレッドシートをご覧ください。

また、回答の後ろのカッコ書きは年齢と性別(回答がある方のみ)、そしてどこの球団のファンかを示しています。

 

「規制すべきでない」

1.私個人としては好ましくないです。私はチーム、選手を「応援」しに球場へ行くのであって、敵を非難したり、ミスをした選手を責めに行くわけではありません。公共の場、しかも、野球を愛するファンたちの集まる場所で選手達を非難する、こういった行為が周りにどのような気分をもたらすか、よく考えたうえで言葉を発する、こんなことは子供だってできます。一人の社会人として、ファンには常識をもって野球観戦してもらいたいと思います。(20代男性:横浜DeNA)

2.名誉毀損や人種差別等、違法なものでない限り、特に問題はない。但し、下品なものなどは好ましくないとは思う。(10代男性:東京ヤクルト)

3ヤジとは違いますが、カープの応援団がアウトコールをしなくなった時の事を思い出しますね。今となってはそんな相手のアウトではなくアウトをとった選手をたたえる応援が好きですが。それぞれの楽しみかたがあっていいと思います。それも現場の醍醐味でしょう。生き死にや国籍、宗教にふれるようなヤジはいただけないとは思いますがね。ヤジそのものではなく人によるならそれはそれで問題でしょう、ただの好き嫌いなんですから。(30代男性:広島東洋)

4.ヤジをするファンに選手のことを嫌いな方はいないと思ってます。「頑張れ」って言いたいところを少しキツく「打てや、コラ」って言うだけでヤジに聞こえますがそれもファンからの選手への愛ではないでしょうか。そして聞いている他の客も応援の一種と捉えればなんの問題もないことです。大きい声で応援するのがOKなら大きい声でヤジを飛ばしてもいいでしょう。それこそそれを認めないのなら表現の自由という憲法違反とも言えます。(広島東洋)

5.全て規制してガチガチにしなければならないのであれば、それの方が残念な事態である。ヤジやブーイングはマナーやモラル、一定の良識に通じる部分があり、よほど悪質、悪辣なものは早々起きないと信じたい。(30代男性:東北楽天)

6.応援するチーム・選手をヤジるのは構わないが相手のチーム・選手をヤジる事は嫌いです。(50代男性:横浜DeNA)

 

球団・球場レベルで「規制すべきでない」と言うご意見をかいつまんでも、その実への回答は結構割れていて、「自分で飛ばすことも他人のことを聞くのも抵抗がない」という方もいらっしゃれば、「ヤジは出来るだけ聞きたくないけど、規制まではしなくても……」と言う方もいらっしゃいます。5の回答にもありますが、「ヤジも表現の一種であると考えれば、それを規制することは憲法違反になる」という考えもあって、その「表現の自由」に関しては(踏み込むと野球から離れるので控えますが)「尊重すべき権利」です。ただ、その「表現の自由」と「相手を不快にさせる言動」の微妙なバランスは、やはり気に留めなければいけないとも思います。

逆に言えば、それこそ昭和の時代はヤジが飛ぶことは当たり前でした。それがちょっとヤジが飛んだくらいでSNSで問題視されるのは時代の流れと言えば恐らくそうでしょう。前時代のレガシー(遺産)を懐古する方もおられるでしょうし、単純にヤジに抵抗がない思考の方もおられるでしょうが、それでも最低限でいいから「選手へのリスペクト」を持つこと。これは必須ではないでしょうか。

 

 

「応援団による勧告程度にとどめるべき」

1.応援に行ってる訳なので、応援をしてほしい。相手や味方の批判はいらない。発奮を促す声かけをどこまでヤジと取るかは微妙だが。あと、味方に有利な誤審に対して応援団ごと盛り上がるとかも不快。ただルールで縛るのは難しいし、マナーという名の下に強制する空気も息苦しい。ひいきのチームが勝てば全て良い訳じゃない。プロのプレーや試合を観れるのが幸せであるので。相手も含めて、全選手が気持ちよく一生懸命プレー出来る環境を作れるよう、応援団が啓蒙してくれたら嬉しいです。(30代男性:北海道日本ハム)

2.野次、とはそのチーム、個人への愛があれば許されるものなのか。プロスポーツを職業とするものは、野次を受けることに対する覚悟やメンタルの強さがなければ、なってはいけないものなのか。応援団が組織的に行うのはどうかと思うが、聞こえてきて不快な野次は、「残念だな」と受け流すしか、対応できないのではないだろうか。(40代男性:東北楽天)

3.個人的には野球に関係あればそこまで気にしない。ざっくり言えばブーイングまでなら許せる。それ以上の言葉になるとちょっとと思う。(20代男性:横浜DeNA)

4.他の観客もすら不快になるようなヤジを飛ばす輩もいるので程度によってはメジャーのように退席や出入り禁止措置などがあってもいい。(30代男性:東京ヤクルト)

5.自チーム(自分の好きなチーム)へのヤジならまだしも、相手チームへのヤジは今の時代は厳禁でしょう。30年前くらいは普通でしたけどね(笑) (40代男性:東京ヤクルト)

6.本当のファンだからこそのヤジは許せるが、そうでないのはただの悪口。誹謗中傷だと考えます。ファンなら応援するのが基本。時には叱咤激励も必要。要はヤジに愛情が感じられるかどうかじゃないでしょうか。(40代男性:東京ヤクルト)

 

「球団主導でガチガチに縛るのは違うけど、ある程度はルールを設けるべきでは」と言う、言うなれば「折衷派」の意見の一部がこちら。

基本的には「応援に行っているのだから応援をしてほしい」という意見に集約されますが、同じ回答でも「愛情があればいいのでは」という意見もあれば「批判はいらない」という意見まで様々です。

「規制すべきでない」よりはさらに意見が多様化していますが、上記にもある「愛情」という言葉も実は曖昧で、「愛情があればどんな言葉を投げかけてもいいのか」と言う問題が出て来ます。発言した当人が「愛情をもって」発した内容が、周りの人には「誹謗中傷に聞こえる」ケースも少なからずあるでしょう。

その他、「自チームはOKでも他チームはNG」、「野球に関係あれば気にしない」という意見もありますし、線引きは本当に難しいなとは今回アンケートを取って思ったことです。ここには掲載していませんが「ヤジにもセンスが必要」という意見もありまして、「まあ確かに、それもそうかもあんぁ……」と筆者は個人的に思いました。

 

 

「球団・球場主導で強く規制すべき」

1.笑えるヤジならまだしも、応援してる人に対してヤジったり、侮辱するような、ヤジは興ざめします。一生懸命応援しているのに後ろの席で大きい声で文句言われたりすると気分のいいものではないですね。笑えるヤジならいくらでも。選手や応援してる皆さんが気分良く観戦できるのが一番いいですね。(50代女性:中日)

2.純粋に自分の贔屓チームを応援すれば良い、わざわざ相手チームをさげすんだり、相手チームの応援を阻害するような事は、するべきではない。(40代男性:巨人)

3.プレーを観に行くわけで、ピリピリと白熱した試合を期待して観に行くわけです。ヤジはこれっぽっちも要りません。「笑えるもの」すら、笑いを取るための下品なものや人格を否定するような発言が聞かれます。そういう笑いを、野球には、スポーツには求めていません。ヤジが美学とでもいう人は、自分の仕事中、四六時中罵倒されて気持ち良いか、パフォーマンスを高められるか、よく考えるべきです。ヤジは要らない。感謝と賞賛こそが選手とスタッフに掛けるべき言葉です。(北海道日本ハム)

4.言い返せない相手に向かって罵倒するヤジはまったく許容できない。愛かあるからと言って許されるものではない。愛があったら何をしてもよいのか?(30代男性:東京ヤクルト)

5.個人対個人で意見を言い合うものに関しては特に気にならない(気にしない)が、第三者(この場合、知り合いでない他の観戦者)の多数に聞こえるような声量でヤジをするのは正直不快に感じています。応援しているチームが負けている時、不甲斐ないプレーがあった時等にヤジをしたい気持ちは理解しますが私個人としては気持ちよく観戦したいので。(30代男性:東京ヤクルト)

6.ヤジが叱咤激励なら我慢もできるが、たんなる悪態や批判、また周りの人に不快な思いをさせるものはやめてもらいたい。ただし線引きに主観が入るので規制は難しいと思いますが。(40代男性:東北楽天)

 

まず3.のご意見にもありますが、ヤジとパフォーマンスの相関性は心理学や社会学でも研究が進められていて、例えばアメリカ・ジョージタウン大学のクリスティーン・ボラス教授の研究結果(リンク先にソースがあります)によると、対象が自分であろうがなかろうが「暴言を吐かれた場面を目撃すると、その時点でパフォーマンスが下がる」と言う結果が出ています。また社会学脳科学の観点で見た「サポーター論」でも、程度や競技に際はあれど「ブーイングがパフォーマンスを低下させる」という趣旨を提示しています。

研究結果を乱暴にまとめれば「ヤジは百害あって一利なし」という結論になってしまいますが、「じゃあ、だからスパッとやめられるのか?」となる人間そう単純ではありませんので、議論百出するわけです。とは言え「規制すべき」という大枠でも、「ユーモアがあれば」という意見もあれば、「これっぽっちもいらない」とこちらも幅が出ました。

選手の目線で言うと、先述のように暴言を吐かれることでパフォーマンスが低下するという統計上の悪影響があると同時に、暴言を吐かれることで発奮するというケースもあります。ただこれはあくまで選手の話で、仮に選手がその暴言を聞いて発奮したとしても、その暴言を聞いてしまったファンの心情までを考えるとなると問題は難しくなります。1対1の状況ならともかく、球場観戦であれば純粋に1対1になるケースはほぼないので、やはりマナーやモラルはわきまえておきたいところ。

 

 

 

ここまでアンケートの結果と様々なご意見を紹介して来ましたが、筆者の意見としてはどちらかと言えば「ヤジはいらない」と思っています。

ただ、筆者も当たり前ですが聖人君子の類ではないので、記憶にあるのは1回だけ審判が微妙な判定を下したときになんか言ったかな、と言うのはあります。

 

上記の意見、また踏み込んでスプレッドシートに掲載したすべてのご意見まで踏まえた上で、ヤジと一言で言っても「単純に誹謗中傷でしかない」ヤジもあれば、「チーム、選手を応援しているからこそ出てしまう」ヤジも、「ユーモアのある」ヤジもある中で、設問では画一的に「規制すべきかそうでないか」と問いましたが、線引きをするのはハッキリ言って無理です。

もちろん誹謗中傷は許されるべきではありません。ですが、「その選手を思えばこそ出てしまう」ヤジは、内容や言葉の選び方にも因るでしょうが心情としては理解できるんです。もっと選手に活躍して欲しい、チームに勝って欲しいと思えばこそ勢い余ってヤジが口をついてしまう、と言う人も少なからずいるでしょう。

しかし、じゃあだからと言って「言う本人に愛情があればすべて許されるのか」、となるとやはりこれも違う話。同じチームのファンでも、ひとりのファンがチームを思ったがゆえに口に出た言葉が他のもうひとりのファンを傷つけてしまう、というケースは数えきれないほどあるでしょう。

 

また「表現の自由」と言う単語も意見の中に出て来ましたが、この「表現の自由」もどこまでを保証するかは線引きが難しく、単純に「表現の自由があるから何を言ってもいい」とはなりません。あまり政治的な話になると本題から逸れますが、「表現の自由を盾に、例えばヘイトスピーチは許されるのか」、と言う話があります。

野球観戦でも同様に、表現の自由を盾に誹謗中傷を許すのか、それともある程度まで制限を加えるのかは個人の倫理観に因ります。筆者としては誹謗中傷はともすれば看過できない問題になりかねないので規制すべきだと思いますが、これもあくまで一個人の意見で、強制力もなければこれに対する反論も(善悪の是非はともかくとして)出て来ます。

 

とは言え時代の趨勢としてはかつて当たり前に飛ばされていたヤジが淘汰されつつあり、「野球観戦」が「女性や子供にも身近になっている」現状で、ヤジの許容は筆者としては「前時代的」かな、とは思うんです。球場に来た全てのファンが「応援しているチームの勝敗に関係なく楽しい時間を共有する」ためにはヤジはいらないと思う。

でもだからと言って、ヒートアップした結果ヤジが口を突くという気持ちもわからなくはない。勝てば嬉しいし負ければ悔しい、規制ありきで考えすぎて勝負の感情まで失ってしまうとそれはそれで不健全だとも思うんです。

 

ともかく、制限を設けすぎて全く感情移入が出来ないようになってしまっては元も子もないので、「熱くなる気持ち」と「相手を不快にさせないための思いやり」のバランス感覚は重要になってくるでしょう。もちろんこの記事だけで、筆者が主張することはあっても何かを結論付けることはないです。この記事以外にもヤジに言及がある記事媒体だったり話だったりを見聞きして、問題を咀嚼することが一番大事だと思います。

野球に限った話でもないですし、もしこの記事を読んでいただいた方がそれぞれ意見を持ち、問題を考えるきっかけになれば幸いです。