東海ちなヤクの巣@パワプロと大相撲番付予想

スポナビブログから引越し。スポナビブログ時代は、プロ野球(東京ヤクルト)を中心に、大相撲の話もちょろっとしてました。はてなブログでは、パワプロと大相撲(番付予想)を中心に展開していきます。

今更ながら考える、「村田修一は獲るべき? 獲らないべき?」

まず最初に反省の弁と謝罪から。
なぜいまさらになって巨人を自由契約になった村田修一を獲得するかどうかの記事を書くことになったかと言うと、11月21日にTwitter上のタイムラインで「村田獲れよ」のツイートを見た時に、咄嗟に空リプで「いらねぇって」と言ったことからです。
理由が何であれ空リプでガラ悪く突っかかったのは完全に筆者(野村)の失策と言うか自己弁護も出来ないというか、結論はともかく「久しぶりにやらかしたなぁ……」と思って、その点は反省します。
当該ツイート群は削除済みですが、空リプでの応酬だっただけに「こいつは何を言ってるんだ」と思われた方もいたかと思いますので、まずはその点、不快にさせてしまったのはすみませんでした。以後気を付けます……。

ただTwitterでの行動と、本質である「村田獲得の是非」は別の論点の話なので、今回やらかしてしまったからには本来書く気もなかったけど、考えをまとめて描いてしまおうとも思ったんですね。
あくまで一ファンの自論として聞いていただければそれで構いませんので、言葉遊びにお付き合いいただければ。




先に結論を述べておくならば、村田に関しては「獲得は必須ではない」と思っています。

まず今季の村田の成績が、118試合に出場して打率.262(381-100)、14本塁打58打点、OPS.754。
筆者が東京ヤクルトのファンなので自然「東京ヤクルトが獲得するかどうか」という話になるんですが、数字だけ見れば「いらないわけはない」。
だったらなんで「必須ではない」かと言うと、Twitterでは「素行」というキーワードを出したのでこじれた(と言うかこじらせてしまった)んですが、素行よりも自分は「編成のバランス」が一番の問題だと思うんです。

村田のポジションである三塁手は、今季の東京ヤクルトは昨年まで正三塁手だった川端慎吾が腰のヘルニアで1年を棒に振り、その代替としてポジションを埋めたのが藤井亮太でした。ただ来期は川端が戻ってくるだろうという見込みと、小川淳司監督・宮本慎也ヘッドコーチによる新体制で「ドラフトで指名した選手の育成、強化を最優先に考えている」と明示した以上、フロントと現場の考えではまず「可能性は低い」でしょう。
村田はもうひとつオプションとしてファーストがあると思いますが、このファーストは畠山和洋がいる。ただ畠山が30代中盤のこの時期に1年近く離脱したと言うことを考えれば、筆者としては畠山がそのまま一塁に戻ると言うことはリスキーかなとは思います。同じことは川端でもそうで、一応1年間フルに活躍した実績もあるけどもケガも多い両人をいきなり当てにするのは確かに怖いんです。

それでもなお「編成の話」をするならば、今年は内野手支配下登録枠70人中16人いて、1人引退(今浪隆博)、1人ドラフト指名(宮本丈)でこれは変動なし。一方で外野手が3人退団(飯原誉士、榎本葵、原泉)してドラフト1人(塩見泰隆)・トライアウトから獲得1人(田代将太郎)で差引-1の9人。全体では支配下登録枠が66人なので余裕があると言えばそうですが、東京ヤクルトは基本的に「支配下+育成=70人」体制を敷いているので、来季育成選手として田川賢吾、日隈ジュリアス、古野正人、大村孟がいる時点で編成は終了してしまいます。
ただこれも、来季の契約が確実視されているD.ブキャナンとW.バレンティン以外の外国人選手4人(J.ルーキ、P.ギルメット、C.リベロ、D.グリーン)の去就について報道が出ていないことを考えれば、はっきり言って流動的。11月末に提出される保留者名簿に名前がなければ自由契約となるのでその時点で退団と考えればいいのでしょうが、リベロかグリーンが残留するか、一・三塁を守る新外国人選手の獲得を目指すか次第でも左右されるでしょう。Twitterでは一回「目ぼしい一・三塁候補が獲れないなら村田を獲ればいいんじゃない?」と言った気はしますが、そのラインが関の山だとも思っています。

それらを踏まえて、内野手サードに今ドラフト1位の村上宗隆をコンバートする話があるし、藤井亮太が正式に内野手登録に変更するという話もあります。村上は捕手指名だったのでともかく、藤井はもう捕手としての出場はないでしょうから内野手に登録を変更すると考えれば選手の数が17人前後になり、これは12球団と比較してもトップレベルに多い数字。これに新たに村田を獲得すると内野手が18人前後になり、多少内野手登録の選手を手薄な外野でも出場させるとしても、選手がダブついてしまうのではないかという懸念が大きいのです。
ちなみにここでいう「ダブつく」は、例えば内野手登録されている選手の全員が全員「一軍レギュラーを狙っている選手ではない」という(選手によっては失礼でもある……)話。例えば三輪正義はユーティリティープレーヤー枠でスタメン出場は限定的になるだろうし、渡邉大樹のように「二軍で育成する、二軍でレギュラーを務める」べき選手もいます。村田の話であれば、村田を獲得することで選手の誰か一人がスタメンから押し出される、一軍枠から押し出される、二軍レギュラーから押し出される、という玉突きの構造を理解できるかどうかが各人にとっての意見の分かれ目にはなるでしょう。まあ東京ヤクルトの場合はとみに「ケガによる戦線離脱(=『ヤ戦病院』)」が付きまとうので、そのケガからのリスクヘッジ的な意味で「獲得せよ」と主張する気持ちはよーーくわかりますが。
その上で来季一・三塁を守る可能性がある選手を挙げれば、
一塁:畠山和洋、荒木貴裕、鵜久森淳志大松尚逸etc……
三塁:川端慎吾、藤井亮太、西浦直亨、廣岡大志etc…
となるはず。畠山と川端が2015年くらいのレベルで復活してくれればそれに越したことはないですが、そうでなかった(途中離脱の可能性も含めて考えれば)としたら厳しい。今から一・三塁で「育成しようか」と言える選手も廣岡と強いて西浦くらいしかいないので、メンバーに変容がないならむしろ「獲るべき」。
やはり一ファンレベルからでは確定的に言えないのは、外国人選手の去就がわからないことと、新外国人選手の獲得の可否。フロントが獲得に消極的である以上、来季の陣容がもっと固まらないとあまり変なことも言えないですね。

編成の話から「育成」へシフトすると、2,3年後を見据えればサードには廣岡か村上のどちらかが(順調に行けば)いるはずです。2,3年後だと川端もまだ30代前半でレギュラーを張れる年齢なので、廣岡か村上のどちらかがサードとして台頭し始めるころに川端がファーストへ移る、と言うことも考えていいはず。
ここが筆者としては一番主張したいところなんですが、「来年がAクラスや優勝と言った、勝負をかけるシーズンではない」以上、「いつ引退するかわからないベテラン選手に打席数を割く」というメリットがわからない。
もちろん「つなぎ」という話があるでしょうが、投手がイニングを消化するのと野手が打席を消化するのとはわけが違うので、つなぎの意味でも(これは後述する話に繋がるんですが)村田にレギュラー級の打席(300~500前後?)を与えるのか……と思うと、どうしても頭をかしげるかな、と言うのが率直な感想です。



その上で、もうひとつ話をするのはいわゆる「素行」の話。
ベテランはいわゆる「精神的支柱」を期待される場合もあるのですが、東京ヤクルトのベテラン野手で軸になれる選手がいるかと言われると、例えば大引啓次坂口智隆が挙げられます。大引は持病の腰痛の影響で常時一軍にいる、レギュラーにいると言うのが厳しいんですが、精神的支柱を期待したいならそれは大引、もしくは大松がいるからそれは間に合っている。

この「素行」と言う話、プロ野球に限らずプロスポーツであれば「素行はともあれ、結果さえ残せればいい」と言うノリで軽視する人が少なからずいるのはちょっと考えたほうがいいと思う。
もちろん職業に限らず仕事であれば結果を残すのは大事なんだけれども、プロ野球の世界であれば野球をするのが仕事なわけで、その「仕事場」の雰囲気を保つこともまた大事だと思うんです。その点で言えば今季はなあなあと言われても仕方ないでしょうし、今オフからは小川監督・宮本ヘッドコーチ体制で(主に宮本主導で)意識改革に取り組むでしょう。
特に一・三塁のレギュラー争いが「低レベル」だと言われれば否定はできませんが、だったらなおさらその点で村田はいるのかと言われたらなおさらそれは、結果を出すことによるメリットよりも意識面でのデメリットの方が出やすいと思うんです。
村田が横浜時代のかつて5年連続90敗を喫するなど低迷の底に沈んでいた時の主力選手で、その時の横浜での行動が試合中途中交代後に監督室で寝そべってテレビを見るなどレギュラー選手としては決してふさわしくないこと、巨人時代でも特に今年はテレビ取材の最中に「暇です!」とのたまうなど、その手の話を聞けば聞くほど新体制が目指すチームの求める選手像とは、個人的には大きく乖離して見えてしまう。
村田を擁護するなら、巨人時代は外様では初めて選手会長に就任していることもあるし、いわゆる「お山の大将」ではあるけれども全くダメなこともないと思う。常に生え抜き選手が選手会長を務めていた巨人において外様の村田が選手会長を務めると言うことはそれ相応のことをやってきた証左とも思うんだけども、それが「巨人でレギュラーだったから」で、仮に何らかの理由でレギュラーから外れた時に腐ってしまうんだったら、ちょっと足踏みするかな……と思います。

もうひとつ素行の話をするならば、今オフ新たにトライアウトから獲得した田代将太郎(元埼玉西武)という選手が、例えば水道代をうっかり未納のまま過ごしてしまう(あげくそれをSNSに投稿する)とか、そのSNSで何回か炎上するとか言う話があるんですが、村田と田代では年齢も離れていればプロで残した実績、そして影響力に大きな差がある。実績の面で言えば村田と田代を比較するのは村田に失礼なくらいです。
そんなプロで大きな実績を作り上げ、獲得すればまず一軍にはいるだろう村田の意識が、横浜時代、そして巨人時代から大きく変わっていないなら、たぶん下手したら今年を含めて5年連続90敗しかねないくらい雰囲気を悪くするリスクがあると思うんです。いわゆる「負けグセ」がついている時に、かつて暗黒時代の横浜の主力選手(しかもその主因とも言えるような選手)を獲るかと言われれば、額面通りの成績よりそちらのほうがリスキーだとも思うのです。



以上、改めて結論を申し上げるならば「現時点では獲得の必要はない」、「シーズン開始後にチーム状況が窮した時、その時点でフリーであれば獲得を考えるべき」。現時点ではこんな考えです。
とは言え、ここまで割とボロクソに言ってしまっていますし、実際否定的ではあるんですが、もし仮に村田が東京ヤクルトへの移籍が決まったのであればその時から筆者としてはしっかり応援はしますよ、と言うことも併せて宣言してはおきます。
あくまでいくつかの報道、仮説、状況証拠を組み合わせて筆者が筆者の考えで「消極的」な結論を導いただけなので、反論もあれば納得できる反証もいくつもあると思います。

実際に獲る獲らないの結果、そしてその影響は来年が終わってみないとわからないので、まずは来年、東京ヤクルトの選手達が今季の屈辱をバネに見返してくれることを願います。
その上でもし縁があって村田が来るのであれば、その時は「がんばれ」と言いますよ。