秋場所で早くも2回目の優勝を果たし、「新大関・大の里」が誕生した九州場所。
横綱照ノ富士が休場する中、大の里が先場所のように優勝争いを牽引していくのか。ファンの期待が膨らむ中、力を示したのは先輩大関の琴櫻と豊昇龍でした。
琴櫻は3日目に王鵬に敗れますが、その後は白星を並べて優勝争いを牽引。豊昇龍も7日目に今場所殊勲賞を受賞した阿炎に黒星を喫したものの、その後は白星を連ねて優勝争いをリード。平幕で終盤まで優勝争いに加わっていた隆の勝らを振り切り、12勝1敗で迎えた14日目に琴櫻は大の里を上手投げで退け、豊昇龍は霧島を相手に豪快な吊り出しで勝利。ともに13勝1敗の相星で迎えた千秋楽、結びの一番で激突した両者は、琴櫻が豊昇龍をはたき込みで下して初優勝。「大関同士の千秋楽相星決戦」は平成15年名古屋場所の魁皇ー千代大海以来のことでした。
大関で悲願の初優勝を果たした琴櫻はもちろん、千秋楽まで高いレベルで優勝を争った豊昇龍も来場所は「綱取り」がかかるでしょう。昭和45年初場所後の北の富士・玉の海のような、「横綱同時昇進」も夢ではないかも知れません。
番付予想、まずは幕内。
横綱と大関は変わらないとして、三役のうち関脇は大栄翔と若元春で文句なし。小結は阿炎と若隆景が順当で、感情的には隆の勝も上げたかったけど、無理に三役を増枠するほどでもないと思ったので予想はこうしました。
平幕だと今回は4~7枚目あたりに明確なエアポケットが出来たものの、反対にその前後は過密。例えば東3枚目に予想した豪ノ山は本来ならもっと上がってもいいし、東4枚目予想の千代翔馬は逆にかなり引き上げています。そして8勝7敗と7勝8敗で並んだ東6枚目(髙安)~西10枚目(明生)はもう予想も何もないので、筆者の見識だと全然分かりません。
入幕予想は金峰山、北の若、伯桜鵬、輝、玉正鳳と予想。本来なら下がってもやむを得ない成績の力士が何人かいますが、引っ張り上げる力士との兼ね合いでこのラインに落ち着くのではなかろうかと思います。玉正鳳は感情論込みですが、真面目に半々だと思います。
続いて十両。
十両は十両で、特に勝ち越した力士が多少割を食う編成にせざるを得ませんでした。実際は幕内からの陥落者を多少辛くするやり方もあると思います(筆者は今回、武将山以外は下げの甘さを優先した)。
昇進は羽出山と木竜皇の2人。次点は恐らく東4枚目の荒篤山ですが、4勝は無理に上がらなくてもいい数字なので幕下筆頭に留めました(恐らくこれも高め)。幕下は西5枚目に本来なら上がらないだろう栃丸を置きましたが、しかし陥落するであろう阿武咲と千代丸が先例を参考にするなら6枚目以下に置かれるだろうことを考えたら、本当にふさわしい力士が見つかりませんでした。「幕下でも5枚目以上と6枚目以下で厳然たるラインがある」ことを無視できたら、若ノ勝を十両に上げるんですけどね…………。