「1年納めの九州場所」、令和元年を締めくくる九州場所は横綱白鵬が史上最多を更新する43回目の優勝を果たしました。
世代交代が囁かれる中で休場者が相次ぐ中、白鵬は2日目に大栄翔に不覚を取った以外は白星を並べて14勝1敗。「まだまだ大横綱は健在」、それを見せつけた場所になったろうと思います。
その一方で、朝乃山を筆頭に期待の力士がぽつぽつと、力をつけたのを見せ始めたのも九州場所の傾向だったと思います。白鵬の牙城を崩すにはまだ時間がかかりそうですが、来年に向けて新たなスター候補が名乗りを上げ始めていることも楽しみの一つではないでしょうか。
とは言え、九州場所までで3場所連続「大関が関脇に陥落」と言うマイナスの記録も出てしまっており、その他にも土俵の内外を問わずあまりよろしくないニュースもあるので、今一度土俵の充実と言うところでは気の引き締めが必要ではないか、とも考えますが……。
では早速、幕内の番付予想。
九州場所は小結が4人いる番付でしたが、三役は「2横綱・2大関・2関脇・2小結」でキレイに整えてくると思います。
その三役は、小結から関脇に昇進するのは11勝を挙げた朝乃山でしょう。朝乃山は成績如何では来場所が大関獲りを賭けた場所になるはずでしたが、とりあえずそれはなし。それでも「三役で11勝」は十分大関獲りの起点になる成績なので、関脇に上がってどれだけ勝負できるかがカギではないでしょうか。
小結は、阿炎が3場所連続で小結の地位で勝ち越しながら大関が陥落した影響で関脇に上がれないのは不運ではありますが、11勝を挙げれば慣例上文句なしで上がれるので致し方なしか。新三役として、東前頭筆頭で勝ち越した大栄翔を予想します。
平幕は、三役が2人減った分枚数が増えたので少々ややこしくなった感。この中では、西前頭3枚目で0勝3敗12休の友風を幕内に残すかどうかが焦点になると思いますが、全休ではないことと平幕の枚数が増えること、その他もろもろで幕尻に留めると予想します。これはLINEの大相撲オープンチャットでデータに詳しい人がそれに言及していたのでそれに倣っていますが(オイ)、「本当の理由」はここでは明かせません……。
続いて十両。
十両も、上のほうは平幕の枚数が増えたことで少々組むのには苦労しました。
十両は星が拮抗する分予想も苦労するんですが、幕内昇進に関しては上述の友風との兼ね合いて、西十両筆頭で8勝7敗の徳勝龍が割を食ってしまうかな、と言った程度か。
再十両は美ノ海、朝玉勢、千代鳳、照ノ富士、魁の5人と予想。十両⇔幕下の入れ替えは星的には迷う要素がなかったので、あとは入れ替わった10人がどこの地位にいるかが焦点になると思います。その再十両では、やはり注目されるのは元大関・照ノ富士か。相撲内容はさすがに幕下以下では敵なしだったものの、精査するとまだ横の動きに不安が残るので、十両に上がった時にどうかだとは思います。
来場所、ひとまず筆者の注目点は、幕内では朝乃山が大関獲りの機運を高められる2桁勝利を挙げられるかどうか。今場所の相撲ぶりを見ていて、「2桁勝てる力量はある」けれども「確実に上げられるかどうかはわからない」、そんな感じでした。ここから1か月半を置いてさらに成長するのかどうか、それを本場所で発揮できるかどうかは見ものではないでしょうか。
十両では、上述した通り照ノ富士が復帰してどうか。復帰組では千代鳳も三役経験者ですので、兄の千代丸に近づくべく十両でどれだけ星を伸ばせるかが注目のポイントになると思います。