お目覚め真中2世!燕・山崎、プロ1号「あんな打球は初めて」
いやはや、なんとも嬉しい話じゃないですか。プロ2年目の山崎晃大朗に生まれた、プロ初の本塁打。
打った時、山崎は振り抜いてはいましたがフライとしてはさほど大きくもなく、それでもキレイな放物線となってライトポール際最前列にポトリ。打球が着弾した瞬間、近くにいたファンが抱き合っていたのが見えましたが、明るい話題の少ない今季のスワローズの中で台頭しつつある新戦力のプロ初本塁打を「間近で」見られたことは、それだけで感激モノだろうと思います。
さて、その山崎晃大朗という選手。
2015年ドラフト5位で日本大学から入団。日大の後輩、左投左打の外野手、背番号31という点で真中監督と共通項のある選手として注目されていました。
1年目の昨季は7試合に出場し18打数3安打。二軍では100試合に出場、打率.251、2本塁打33打点をマーク、38盗塁はイースタン・リーグトップでファームながら盗塁王も獲得しました。
足についてはルーキーイヤーの時点で高いレベルにあるだけに「あとは打撃」と言った感じの選手でしたが、今季は7月後半に2度目の一軍昇格を果たすとここまで(8月26日終了時点)で32試合に出場。打率.252、1本塁打9打点と2番に定着してアピールを重ねていますね。
ひとつ注文を付けるならば、盗塁に関しては今季は4回企画して成功が1個のみ。成功率.250は(母数が少ないとはいえ)とても褒められた数字ではないので、この盗塁成功率の改善が大きな課題になろうかとは思います。
そして、山崎が今レギュラー争いの中にある外野手陣の布陣について。
本来であれば、現在のスワローズのレギュラーたるべき選手はウラディミール・バレンティン、坂口智隆、雄平の3人。3人揃って33歳で、かつ3人ともケガのリスクを考えなければいけないとあっては後継者探しは急務。
いずれ坂口の記事を書く時にも言及すると思いますが、年齢的には本来ならこの中に上田剛史や比屋根渉が割って入らないといけない。
上田は今季もここまで89試合に出場し準レギュラーとしては及第点だとは思いますが、比屋根はここまで26試合出場のみに留まっているのが現状です。
上田、比屋根よりさらに下の世代となると、この記事の主人公である山崎を始め、榎本葵、原泉と言った選手が控えている状況ではあります。が、こちらもこちらで、榎本は今季2年ぶりに一軍昇格を果たしましたが結果を残せず、ファームでも打率.220止まり。原泉は二軍では10本塁打を記録するなどパワーがあって最近アピールを重ねていますが、それでも打率.209と確実性に欠けています。
ちなみに外野手登録だと、現時点で最年少が件の山崎。次いで榎本、原泉となりますが、「一軍の現有戦力」の突き上げには上記の通り物足りない状況。今年のドラフトや編成などで若い選手の獲得もあるかも知れませんが、まずはこの3人が突きあげないと、と言ったところ。
そんな中でこの山崎のアピールは、山崎自身のみならずチームにとっても好ましい。
冒頭で触れたように、今季限りで退任が決定している真中監督との共通項の多い山崎が活躍を見せている、という感傷的な感情もなくはありません。
しかしそれ以上に筆者が楽しみなのは、山崎がこの先レギュラーとしてスワローズの顔になれるかどうかの分岐点にいるこの状況で、どれだけアピールを重ねることが出来るか。
バレンティン、坂口、雄平の壁は高いと思います。しかしこの3人に失礼な物言いをするならば、その壁は「高いが脆い」。
その壁を山崎は突き崩せるか。チャンスは十分にある。
今季シーズン終了後どれだけの成績を残せるか、どれだけの成長を見せられるかどうかが山崎の直近の課題であり目標。少しでも一人前に近づくことが、真中監督への恩返しというか、手向けというか、ともかくそんなところだと思います。