東海ちなヤクの巣@パワプロと大相撲番付予想

スポナビブログから引越し。スポナビブログ時代は、プロ野球(東京ヤクルト)を中心に、大相撲の話もちょろっとしてました。はてなブログでは、パワプロと大相撲(番付予想)を中心に展開していきます。

復活した男の渋く、大人にしかわからない魅力。 【#21 松岡健一】

8月27日、神宮での横浜DeNA戦。

2アウトから連打を許し中押し点を許してしまった松岡健一は、降板後にグラブを引きちぎるように外すと、俯いたまま誰ともハイタッチせずベンチへ向かいました。

今季35歳を迎えながらここまで25試合に登板し、防御率は3.28。6ホールドをマークし、今季もブルペン陣には欠かせない投手となっている松岡。その松岡でも、打たれた昨日の試合は悔しさを隠せずにベンチへ引き下がっていく様は、何か今季の苦しいチーム事情を垣間見させるシーンかなとも思います。

松岡は2004年ドラフト自由枠で入団。筆者の手持ちの選手名鑑には、当時流行していた松平健の曲になぞらえて「球界のマツケンとして……」と書かれていたのは妙に記憶に残っています。

そんな松岡はプロ3年目の2007年に先発として4勝をマークし飛躍の足掛かりを掴むと、翌2008年に中継ぎとして65試合に登板し29ホールドをマークしてブレイク。そこから4年連続で50試合以上登板を果たして103ホールドを稼ぎ、スワローズの中継ぎ陣としてなくてはならないピッチャーとなります。

しかし2012年にケガで7試合のみの登板に留まると、2013年には復活しますが34登板、翌2014年は39登板。防御率はそれぞれ5点台に留まり、過去の輝かしい実績が色褪せて行くのかと、当時は寂しい気持ちもありました。

それでも、チームがリーグ優勝を果たした2015年は38試合に登板し防御率3.44と復調。ホールド数こそは4個のみながら、ベテランとして陰ながらチームを支えて優勝に貢献しました。

2016年は、5年振りに50試合を越えて53試合に登板。勝ちパターンでの登板はあまりなくホールド数は2015年と同じ4個のみでしたが、盛大に投壊したチームの中でベテランらしく渋い活躍を見せてくれました。

今季は一軍登録が6月下旬と出遅れましたが、それでも2か月で25試合に登板。防御率3.28は2013年の復帰以降は一番いい数字でホールド数も6個を記録し、相変わらずチームに欠かせない存在となっています。

以前石山泰稚の記事を書いた時にも言及しましたが、松岡も一時はバリバリ鳴らしていた「セットアッパー」というのは、本来はそこまで注目されないポジション。松岡はその点では、現在はセットアッパーとしてホールド数を稼ぐというポジションですらないので、下手すれば余計に褒められず叩かれやすいという点を持っているかもしれません。

だけれども、そのなかで防御率3点台を維持し、来る日も来る日も淡々と投げ続けている松岡のようなベテラン投手もいてこそのチームです。

この渋い……というよりブラックコーヒーよりほろ苦いだろう「勝ちパターン以外の中継ぎ」にまで魅力を感じ取れるようになったら、その瞬間からあなたは「プロ野球マイスター」。

余談ながら松岡は顔立ちが端正な部類で、Twitterのタイムラインでは松岡が登板すると「ハンサム」とかなんとか、そんなノリの言葉が飛び交います。

そんな男前の選手が、縁の下で淡々と自分の仕事をこなす。想像しただけで、なんとも絵になるじゃないですか。

きのうは残念ながら打たれてしまいましたが、今季ここまでも、そしてこれからもブルペン陣を支えてくれるであろう松岡に、ささやかながら乾杯を。

筆者はもっぱらミルクティー中毒なので、ブラックコーヒーではなくミルクティーで……(笑)。