きのう10月20日、2022年ドラフトが行われました。
今年は例年に比べると、失礼ながら小粒な印象もあったかに思えましたが、終わってみれば結果として12球団ともいい指名が出来たのではないか。そう思わせる実りのあるドラフトになったかと思います。
筆者は東京ヤクルトスワローズのファンなので、東京ヤクルトの指名した選手を調べつつ、ポジティブな点を挙げながら将来を占っていきます。
ちなみにサイドバーにはパワプロブログが数個貼ってありますが、しばらくしたらそこのブログにドラフト選手を査定して作成される有志の方がいらっしゃると思うので、そちらも参考にしながらご覧いただければと思います。
ドラフト1位 吉村貢司郎(東芝・投手)
ドラフト直前に東京ヤクルトが1位指名を公言し、結果1本釣りで交渉権獲得に成功した吉村投手。
最速153キロのストレートはスピンが効き、持ち球はスライダー、フォーク、カーブなど。今年の社会人野球の中ではナンバーワンの評価をもらっていたと言っても過言ではない投手でしょう。
大学時代は2年春からの登板で20登板、5勝4敗、防御率2.07。社会人に入ってからは全国大会で4試合に登板し防御率1.42をマークしています。
東京ヤクルトの近年指名したドラフト1位投手は、基本的に先発で試すこと多いです。恐らく吉村もそうなるはずで、そうなると今年数がいたとはいえ奥川恭伸の長期離脱やコロナ禍による離脱で、必ずしも満足いく先発ローテーションが作れなかったチーム事情からするとピンポイントな投手。年齢的にも当然即戦力を期待されるでしょうし、吉村には大きな欠点も目立っていないのである程度は一軍で投げてくれるはずです。
1年目のノルマとしては、
レベル1(最低限これだけはやってほしい):先発として40イニング、2~3勝
レベル2(これだけやれたら十分でしょう):先発として80イニング、5~6勝
レベル3(最大限ポジポジに予想すれば?):規定投球回到達、2ケタ勝利
を筆者からは挙げたいと思います。
ドラフト2位 西村瑠伊斗(京都外大西高・外野手)
高校通算54本塁打を放つパンチ力と、投手として最速147キロを叩き出す強肩。甲子園出場はないものの、3年夏の京都府大会では6試合で4本塁打を放った打撃が何よりも魅力です。
1年秋からベンチ入りを果たし、スタメンレギュラーとして活躍。2年夏の京都府大会では打率.444、2本塁打。3年夏の京都府大会では上述の4本塁打の他打率.611をマークするなど、とにかく打撃が魅力的な選手です。一方で足も50m6.0秒と俊足で、将来はセンターを張って欲しい素材。現在センターのレギュラーである塩見泰隆が29歳で、一回り年齢が違うことを考えれば、ポスト塩見として4~5年後には出てきて欲しい。東京ヤクルトの高卒選手が近年比較的早く一軍で出場していることも考えれば、東京ヤクルトでどんな選手に育つか楽しみな存在でもあります。
レベル1:二軍で60試合出場、打率.200、3本塁打
レベル2:二軍で75試合出場、打率.230、5本塁打
レベル3:二軍で90試合出場、打率.250、8本塁打
ドラフト3位 澤井廉(中京大・外野手)
180cm、100kgの恵まれた体格から、高校通算31本塁打、大学リーグ戦通算10本塁打の長打力を誇る和製大砲候補。中学生時代は投手として最速136キロをマークした強肩も魅力。
甲子園出場経験があり、中京大では1年春からベンチ入り。当時は6番や7番を担いDHとして活躍し、2年春から主にライトでプレー。4年春までで通算79安打、打率.299、8本塁打40打点をマークしている打撃型の選手。
東京ヤクルトは今年レフトを固定しきれず(スタメン最多は青木宣親の60試合)、ライトはドミンゴ・サンタナがいるものの怪我や外国人と言う面からそれぞれ数年後を考えたい中で、両翼に置ける外野手の大砲候補を澤井で見積もったか、と言うのが第一印象。地方リーグなのでもう少し打率が上がれば、と言ったところではありますが、左の大砲としては村上宗隆と言う最高のお手本がいるので、それを参考に追いつき追い越せで一軍に定着してくれれば得点力は維持、もしくは向上できると思います。
レベル1:二軍で90試合出場、打率.220、5本塁打
レベル2:二軍で90試合出場、打率.230、7本塁打or一軍で10試合出場、1~2本塁打
レベル3:一軍で30試合出場、4~5本塁打
ドラフト4位:坂本拓己(知内高・投手)
最速147キロのストレートが持ち味で、持ち球はスライダー、カーブ、チェンジアップなど。3年夏の南北海道大会で49イニング49奪三振をマーク、チームを創部初の決勝進出に導いたドクターK左腕です。
奥尻町出身者からは佐藤義則以来42年振りのプロ野球選手が誕生。知内高で1年秋からベンチ入りし、着実に球速を伸ばして最終的には147キロまで到達。3年夏の南北海道大会では、門別啓人(東海大札幌高→阪神2位)と投げ合って勝つなど、将来を嘱望できる左腕です。180cm、85kgのガッチリとした体格も魅力で、上述の通り3年夏の南北海道大会では49イニングを投げて49奪三振。三振を奪える投手として、数年育成したのちに先発として期待したい素材です。
レベル1:二軍で5イニング、防御率5点台
レベル2:二軍で20イニング、防御率4点台
レベル3:二軍で30イニング、防御率3点台or一軍デビュー
ドラフト5位:北村恵吾(中央大・内野手)
高校通算44本塁打、大学リーグ戦通算6本塁打を誇る右の和製大砲候補。4年春には打率.317をマークしベストナインにも選ばれた、「ポストホセ・オスナ」「ポスト村上宗隆」のひとり。
近江高時代は1年春からベンチ入りし、夏の滋賀県大会で満塁本塁打を記録。3年夏の甲子園では17打数9安打、2本塁打の活躍でチームのベスト8入りに貢献しました。中央大では1年春からベンチ入りし、3年春から一塁手のレギュラーとしてプレー。4年春まで通算43試合に出場し、打率.254,30安打、5本塁打16打点を記録しています。
村上宗隆が三冠王を獲得し、メジャー挑戦も囁かれる中で一塁・三塁を主戦場とする北村を指名したのは「なるほど」と言った感じ。飛ばす力は十二分にある選手なので、現在ファーストを守るホセ・オスナ、サードを守る村上宗隆の後釜(村上は後釜と言うには早いが)を期待したくなります。逆に言えば北村は打ってナンボの選手なので、プロの水に慣れ、どれだけ自分の持ち味を生かせるかが勝負になるかも。
レベル1:二軍で二軍で90試合出場、打率.200、5本塁打
レベル2:二軍で90試合出場、打率.220、7本塁打
レベル3:一軍で10試合出場、本塁打を放つ
育成ドラフト1位:橋本星哉(中央学院大・捕手)
どの方向へも長打が狙える強打の捕手。攻守においてまだ粗削りながら、強靭な体を武器に成長を期待したい(東京ヤクルト公式のひとことコメントより引用)。
中央学院大では2021年の明治神宮野球大会で優勝を経験。4年春の大学リーグ戦では打率.282、22安打、4本塁打を放っている長打が魅力です。You Tubeにあるスローイングの映像を見る限り、二塁送球は1.8~1.9秒ほど。恐らく、捕手に必要な強肩も兼ね備えている選手でしょう。
橋本は頼りにしているドラフトサイトでも情報がなくそれを集めるのに苦労しました。情報はもうしばらくするとニュースサイトなどで上がると思いますが、ともあれポジションとしては「強打の捕手」を期待したいところ。近い世代には守りの古賀優大と、高卒2年目で頭角を現した内山壮真がいますが、橋本は彼らと競るような選手になるはず。打撃を武器に、東京ヤクルトで近い存在と言えるのは西田明央だと思うので、その西田クラスになってくれればいいのではないでしょうか。
レベル1:二軍で50試合出場、打率.200、3本塁打
レベル2:二軍で65試合出場、打率.220、4本塁打
レベル3:二軍で80試合出場、打率.240、5本塁打or支配下登録
総括
今年の東京ヤクルトのドラフトは、投手が2人に対して野手が4人(支配下3人・育成1人)となりました。投手は即戦力の吉村と素材型の坂本を獲得し、野手では得点力の源となるパワータイプの澤井・北村・橋本、走攻守三拍子揃った西村とバランスのいい指名が出来たと思います。
もちろんここから「どうやってプロで活躍するか」が大事なので、各選手には通り一遍ですがプロ入りしたことに満足せず、「プロで活躍するんだ」と言う気持ちを持ってプレーして欲しいですね。今年は筆者が思っていた当初の「小粒」な印象が、大分消えたように感じたドラフトでした。
その他
他球団のドラフト指名で気になった選手のひとりに愛媛マンダリンパイレーツの上甲凌大がいるんですが、その上甲が横浜DeNAベイスターズから育成1位指名を受けました。
上甲は筆者と同じ愛媛県西予市の出身で、愛媛マンダリンパイレーツからは土田瑞起(元巨人)以来実に11年振りの指名。地元が育てた地元出身の選手が、ついにNPBに羽ばたくときが来たぞとワクワクしています。
パワプロで実在選手は基本的に作る余裕のない筆者ではありますが、上甲に関しては彼だけでも作りたいですね。育成選手の作者は心当たりが1人いますが、もし余裕があれば作ってアップロードしたいと思います(あくまでここは現状パワプロブログなので)。