引越しの準備を進めながらたまにTwitterのタイムラインを覗いて、よくある順位予想のブログ記事があったのでそれを見てきたんですね(名前は出しませんが)。
基本的にはセイバーメトリクスに基づく理論的構築で読みごたえがあったんですが、セ・リーグの記事の東京ヤクルトだけは割と適当なことを言っていたのが「冗談じゃねえや」と率直に思いまして。
そのブログを書かれた方は在阪2球団のファンだと言うことで多めに見ておきますが割と杜撰だったので、その記事の筆者にはまず届かないと思いますが改めて一ファンの目線で今季の東京ヤクルトがどういう布陣を敷き、どうペナントレースを戦っていくべきかを検討します。
ちなみに上記の通り、示唆したブログ記事は「セイバーメトリクスに基づいて」と書きましたが、今回の記事ではあえて出来るだけデータには触れません。順位予想自体はオープン戦終了後にまたしっかりとやる予定なので、データを出すときはそこで出します。
まあ一番の理由はデータを「精査するのがめんどくさいから」なんですが、データは結局のところ選手の全てを見せてくれるわけではないですからね。
未来予測の足掛かりにはなっても、未来予想が出来るかと言うと結局過去の事象を捉えたものでしかない以上はデータに因らない余地が出来るわけだから、そこでいくらでも解釈出来る。生身の人間がやる以上どこかで必ずデータを上回る事象が起きるわけで、だったら必要がないと思うなら出すこともないかなと(後付けで)思ったまでです。
もちろんデータ、野球で言えばセイバーメトリクスそのものは否定する気もないしむしろ筆者としては信を置いているところもあります。しかし順位予想、こと東京ヤクルトに関してはデータをもとにしたところで筆者自身が3年連続で大きく外しているので、ある種信用ならんと言うのもありますので……。
①先発
一軍ローテ予想:ブキャナン→小川→ハフ→原樹理→石川→星
谷間の先発:由規、成瀬、山田大、梅野、アルメンゴ、岩橋、山中
二軍ローテ予想:寺島、館山、村中、高橋、田川
便宜上3項に分けてはいますが、例えば二軍ローテに置いた投手はずっと二軍にいるかと言われればそうではなく、構想と予想登板数を併せてこう置いているというだけの話になります。
そういう意味で、先発登板数のチームトップ6人を「一軍ローテ予想」に置いています。本来ならば谷間の中から由規、山田大、梅野、岩橋あたりが石川に代わってローテの一角を担ってもらいたいのですが、石川がまだやれるうちは石川が頑張ればいいと思うし、由規は怪我との付き合いがあるので慎重に、梅野はまだ高卒2年目なのでじっくりと。山田大、岩橋が同じく左腕で年齢的にも勝負をかける年になるので、この2人が石川と競る感じになってくれればそれが個人的な理想です。
それらを除けば、出遅れは必至ですが小川と星、そして昨季エース級のブキャナンと急成長を見せた原樹理はまず間違いなく一軍ローテで投げるべき投手。ハフもまだ3月上旬ではありますがピッチング内容は悪くないので、ある程度計算はしてもいいはず。
小川と星が出遅れる分を谷間や二軍に挙げた投手が担うことになりますが、その出遅れた分でどれだけ負けを抑えるかがペナントレースの命運を分けると思います。
それでも以前、Twitterで星勘定予想を垂れ流したのが下のツイートで、
投手の星勘定(予想)なら
— 野村中務少輔 (@NomuraYuhki) 2018年1月4日
佐藤由:2勝4敗
原樹理:5勝8敗
石川雅:4勝8敗
星知弥:6勝7敗
ブキャ:9勝11敗
小川泰:7勝7敗
アルメ:5勝5敗
Dハフ:4勝7敗
山中浩:2勝6敗
他先発:3勝10敗
中継ぎ:6勝15敗
合計:55勝88敗(勝率.385)
これすごいネガってるね
結局のところ層が薄いのは否定できません。だからこそ若手の台頭を望みたい部分もあって、それを解決しうるのが寺島、梅野と田川かなと思っています。オープン戦でも積極的に起用されている3人が、将来的には表でも裏でもいいから必要不可欠な戦力になってくれれば、苦しんだ甲斐もあったと言えるのではないでしょうか。
②中継ぎ
一軍布陣予想:大下、中澤、近藤
セットアッパー・クローザー:カラシティ→石山→秋吉
1.5軍予想:中尾、山本、松岡、久古、風張
二軍布陣予想:蔵本、菊沢、沼田、屋宜、平井(、金久保、古野、ジュリアス)
上記はオープン戦の起用具合を見た上で決めていますが、カラシティに関しては微妙かも。近藤、石山、秋吉は実績を作った部分もありますし一軍は怪我でもしない限り当確でしょうが、カラシティはもう少し見極めが必要だと思っています。
あとは割と一軍、1.5軍を分けるのに苦労した。大下はこれまでの登板を見ていれば素質だけなら十分活躍できるものがあると思うし、近年の実績で言えば中澤も一軍に置いていたほうが自然な投手。ただし安定感を見込めるかと言うと大下は新人、中澤は投球フォーム変更とそれぞれの不安要素があり、そうなると他に一軍での実績がある山本、松岡、久古と、昨秋のウィンターリーグで活躍した中尾、二軍での数字に飛躍を期待させる風張が入って来るのかなとは思います。
ただ先発の項では触れませんでしたが、こういう布陣も結局は「怪我人をせめて並の数に抑える」と言う前提条件が絡むので、実際はもっとカツカツになるはず。いくらでもマイナス要素を探せば出てきてしまう状況なので予断を許しません。最下位を脱出するためには石山と秋吉が怪我をせず不調にも陥らないのが前提で、その上で大下とカラシティが活躍するのが必須。
その点では、さらに余裕を持たせるためには平井と屋宜がどれだけやれるかもカギでしょう。もしくは新人の蔵本と沼田がどれだけシーズン中に成長するか、もしくは菊沢が覚醒するか古野が怪我から戻ってくるか、プラスアルファがあってようやく渡り合えるレベルになるかなと。かなり厳しい見方ですが、昨季のことを思えばそれも致し方無しですから、今季は伸びしろを感じたい。
③一軍フォーメーション
1(中)青木、(二)山田、(左)坂口
2(三)川端、藤井、(左)坂口
3(二)山田、(中)青木
4(左)バレンティン
5(一)畠山、(三)川端
6(右)雄平、坂口、(一)荒木、(左)塩見
7(遊)大引、西浦、(遊)(三)廣岡、(中)(右)上田
8(捕)中村、西田
代打:塩見、荒木、大松、鵜久森
かなり見辛くなってしまいましたが、その分下記に説明します。
まず打順に関して、個人的には1番青木・3番山田を軸にして、2番にバットコントロールの巧みな川端を挟む形が理想。4番にバレンティンを置き、5番以降は調子を見て柔軟に組めばいいのかなと考えています。
1~3番は、長打力は山田>青木で山田のほうがポイントゲッターとしても期待できるのでそれなら青木、川端に出塁を期待して山田が返す形を作りたい。坂口をスタメンに組み込むなら坂口が、川端がいないときは繋ぎ役として藤井が2番に来ればそれで代わりになるはずなので、山田と川端は復調・復活できるか、青木は日本球界にどれだけ感覚を戻せるか、坂口と藤井は昨季からどれだけ成績を維持できるかがそれぞれ焦点になります。実力通りならセ・リーグ他球団とも張り合えるはず。
4番は離脱しない限りバレンティンで問題ないでしょう。バレンティンが離脱する時は恐らく坂口か塩見が代わりに入るはずなので、その時は山田かもしかしたら畠山になるかも。5番は上記では畠山を入れていますが、坂口を2番に置くパターンもしくはベストメンバーとして川端が入る可能性は十分にあり。川端なら2番でも5番でもそれ相応の仕事をしてくれるはずなので、川端まで離脱するという事態が起こらない限りは大丈夫でしょう。逆に言えば、主力からまた複数人が長期離脱した時は2018年シーズンの終わりを意味します……。
6番以降は、捕手の中村を除けばまず猫の目になる部分。とは言え6番は現時点では右翼手の雄平が収まるでしょうが、7番は育成を主眼に置けば遊撃手に廣岡を置きたいし、勝ちを拾いに行きたいなら大引や西浦を据える部分。遊撃手争いに関しては本当に始まってみないと何も言えなくて、場合によっては宮本や谷内が割って入る可能性もあるわけですから、こればかりはデータで何を言おうがまず予想できない部分になります。とは言え後述する二軍との兼ね合いを考えれば、今季は廣岡に任せていいのでは? とも思います。
代打には塩見、荒木、大松、鵜久森の4人を挙げておきました。特に大松と鵜久森は二軍で育成と言う年齢・立場でもないですから一軍での結果が求められる部分もあります。塩見以外の3人はファーストでのスタメン出場と言うオプションも考えられるので、その場合は坂口を含めてサバイバルになるでしょうね。
そして塩見はオープン戦で打撃のきっかけを掴んだようで、現状二軍に漬けこむにはかなり惜しい選手。ただし守備がかなり不安定なので、現状としては「第4の外野手」的ポジションが考えられるはずです。塩見が大卒社会人である分「育成」と割り切るには時間が短いので、今年1年でどれだけ攻守ともに成長を見せられるかが将来のカギになります。
④二軍フォーメーション
捕手:古賀、山川、松本、井野
一塁:武内、大村
二塁:宮本、谷内、渡邉
三塁:村上
遊撃:西浦、廣岡、宮本、谷内
左翼:田代
中堅:比屋根
右翼:渡邉、鵜久森
二軍で特に将来のために育成したいのが古賀、村上、渡邉の3人。冒頭の話を思い出していただきたいのですが、この記事を書くきっかけになったブログ記事では東京ヤクルトの選手層の薄さに触れて「なぜ村田修一を獲らなかったのか、理解に苦しむ」と言及していましたが、獲らなかった理由は簡単です。小川淳司監督も触れましたが「将来のため」で、村上をサードとして育てるための措置です。
今季を無難に終え、かつ村上を育て上げないとまた後で外野からごちゃごちゃ言われるわけですが、きっかけのブログ記事に反論する形を取るなら「川端、畠山、坂口、青木ら『劣化が考えられる年齢にある選手』より村田は年上で、その村田も劣化が考えられる年齢にある。それでなぜ、その筆者が村田を獲る『程度』でまともなチームになると考えられるのか」と言う話です。もちろん村田の実力や実績は否定しませんし、まさか村田がNPBの他球団から全くオファーがないとは思いませんでしたから気の毒ではあるんですが、村田ひとりでなんとかなると思うならそれはそれで見識違いです。
とは言え層の薄さは野手でも否定できませんので、村田を獲得しなかったのは「賭け」、「バクチ」です。ただ昨季96敗と泥まみれに終わったチームが賭けに出なければ、このままくすぶると思えばこっちも腹をくくらないといけない。
それらを踏まえた上で、古賀、村上、渡邉の3人が2,3年後から一軍に顔を出すようにならないとチームとしても未来がないわけです。村上ばかりに目が行きがちですが、古賀はオープン戦で一軍に帯同していて経験を積み、渡邉も二軍で着実に結果を残しています。まだまだ時間がかかるであろう3人ですが、将来一軍で活躍するビジョンは描けるだけに、目先よりも将来を志向してスケールアップすることを願うばかりです。
言い方を変えれば、今季この3人と心中するくらいで二軍はいいと思います。
⑤総論
いろいろとポジ多めで御託を並べてきましたが、結局弱点は弱点で多く残っているので、今季は順位は問わなくていいから将来飛躍するための道筋を作りたいシーズンです。
ドラフトにしろ村田獲得にしろ、世論の賛否は「否」が多い気はしますが、結果は結局その時に見ないと評価できないので、一ファンとしてはその時の選択が間違っていなかったと評価されるように願うし、また応援もしたい。
今季だけを見据えて言うなら「怪我人を減らすこと」がやはり最重要になるし、実際そうしないとまた同じことを繰り返すだけなのでそこだけは強く願いたい部分でもありますが、それ以上のものがどれだけ垣間見えるかが今季野球を楽しむ大きな要素になるかなと思っています。
結果は問わない。だけど希望への道筋は見たい。とどのつまり、そんなところな気はします。
順位予想は冒頭でも記した通りまた別の機会にやりますが、もう言っておきますけども東京ヤクルトは5位か6位に予想するでしょう。ただ、これまで良くも悪くも期待通りにいかないのがこのチームだと思うので、いい意味で期待を盛大に裏切られたいですよね。
その為には応援も重要だと思うので、今年から社会人になりますしどれだけのペースで現地に行けるかはわかりませんが、出来るだけ筆者も頑張ります。