東海ちなヤクの巣@パワプロと大相撲番付予想

スポナビブログから引越し。スポナビブログ時代は、プロ野球(東京ヤクルト)を中心に、大相撲の話もちょろっとしてました。はてなブログでは、パワプロと大相撲(番付予想)を中心に展開していきます。

勝負の5年目、レギュラーはすぐ目の前に。 【#3 西浦直亨】

レギュラーシーズンに入ってからは2回目。昨季スポナビブログでやっていたこと(一応こちらがブログの本筋)を、ぼちぼちやっていこうと思います。

もともと、かつてスポナビブログを始めた経緯は昨年の8月。あまりに負けが込んでファンにも停滞ムードが漂っていた東京ヤクルトスワローズを少しでも鼓舞できないかと思って、無理くりポジティブに記事を書こうと思ったのがその始まりでした。
とは言いながらも、例えば今季の順位予想では基本的に筆者ですら最下位予想するなど、今季に関しても「無理やりな部分が出てくるかなぁ……」とある種の覚悟はしていました。
しかし、ふたを開けてみれば4月14日時点で東京ヤクルトは8勝6敗、勝率.571で首位・横浜DeNAと0.5ゲーム差の2位タイ。概ね開幕ダッシュに成功した格好となりました。

では、なぜ昨季96敗に沈み込んだチームが今季ここまで善戦しているのか?
理由は様々です。今ここで羅列することもしません。長くなるので。
その中で今回は、その主要因のひとつであろうひとりの選手について言及していきます。



 
西浦直亨。
天理高、法政大を経て2013年ドラフト2位で東京ヤクルトへ入団。

ルーキーイヤーの2014年は開幕戦でプロ初スタメン出場を果たすと、初回の初打席、その初球で3ランホームランを放って見せました。そのルーキーイヤーは14試合のみの出場に留まりましたが、翌2015年は26試合に出場機会を増やし打率.295を記録。
2016年は後半から遊撃手のレギュラーとして場数を踏んで、自己最多72試合に出場。打率.255、7本塁打28打点を記録して、一気のレギュラー定着を期待されていました。

しかし、2017年はチームそのものの低調さに呑み込まれるように西浦のバットも湿り、前年と同じく72試合に出場しながら打率.208と大ブレーキ。本塁打もプロ入り後初めてゼロに終わり、まさしく不本意なシーズンを過ごしてしまいました。

今季は、開幕一軍入りこそ果たしましたが開幕カードは出場なし。しかし三塁手を守っていた川端慎吾死球による脳震盪の影響で、同じく三塁手の藤井亮太が脇腹を痛めてともに登録抹消されると、西浦にチャンスが回ってきます。
今季初スタメンは4月4日、広島東洋カープ戦。ここで「2番・三塁手」として出場すると、6回に決勝打を放って勝利に貢献するなどいきなり4打数3安打2打点と活躍。4月7日巨人戦では2年ぶりに本塁打を放つなどスタメン出場2試合連続で猛打賞を記録し、その後もコンスタントに安打を放って4月14日終了時点の打率は驚異の.520。

ポジションは当初三塁手としての出場が主でしたが、それまで遊撃手を守っていた廣岡大志に結果が出ていないこともあり、4月13日・14日の阪神戦では本職の遊撃手として出場。念願のレギュラー奪取に向けて、いよいよ順調と言ったところでしょうか。



このブログでも何回か触れている通り、東京ヤクルトの「正遊撃手候補」は数だけならかなり多い印象。開幕前は廣岡を育て上げる青写真があり、そのサブとして西浦であったり奥村展征であったり、現時点の二軍では谷内亮太、宮本丈、そして大引啓次が控えている状況。その中で奥村はサブプレイヤーとして地位を確立し、さらに件の西浦は定位置を確保せんとする勢い。
しかし谷内、宮本は持ち前の打力で二軍では結果を残しており、大引も怪我から復調すれば十分な戦力となる状況。廣岡も伸び盛りな中、打率.520のインパクトはあれどまだ西浦は定位置の「土台」すら築けていない、とは言えるのでしょう。
ひとたび不調で数字を落とせば、他の選手がハイエナのように群がってくる。今の「東京ヤクルトの遊撃手」はそう言う状況だと筆者は思っています。

とは言え、(西浦やその遊撃手に限った話ではありませんが、)レギュラー争いにおいては「レベルの高い」今の状況は歓迎すべき。だからこそ、西浦も気張ってこれだけの結果を出しているのかも知れない。
現状で言えばまさしく坂口智隆はその典型だと思いますが、「与えられた場所で結果を出す」、その精神はチームに上昇志向をもたらす素晴らしいものだと思います。



私事で恐縮ながらもうちょっと踏み込むと、筆者は今春から社会人デビューしておりまして、「仕事」や「結果」と言う単語に対してかなり敏感になっております。
気付きそうでなかなか気付きにくいことなんですが、「プロ野球選手」は「野球をするのが仕事」。野球で結果を出す……投手であれば勝利数・セーブ・ホールドなど、打者であれば打率・本塁打・打点など……ことが出来れば待遇はよくなるし、逆に出来なければ辞めていく、という厳しい世界です。
さすがに一般社会で後者のニュアンスはなかなかないですが(全くないわけでもないけれども)、「結果を出さなければ評価されない」ところはどこの世界でも同じ。

そんな中で、西浦はルーキーではないですが、5年目にしてまだ9試合ながら大きな結果を出していることは筆者にとってもかなり刺激になっています。

立場が違う、とは簡単に言える。
しかし、プロ野球の世界もまた社会の縮図であると言い換えられる。

同学年と言う意味では遊撃手候補だと宮本と奥村がそうなんですが、「一軍」と言う晴れ舞台で結果を出し続けている西浦の存在は、新米の筆者にとっては「年の近い先輩の雄姿」であり、また「ひとつの道標」でもあります。
社会人になったことでまたプロ野球への見方が変わるとすれば、西浦のようなそれまで一軍半や控えに甘んじていた選手が今まさにレギュラーを掴まんとするストーリーは、「確かな勇気」を与えてくれる存在なんです。



だからこそ。

西浦にはレギュラーになるだけのポテンシャルがあることは、2016年に証明しています。そこから名実ともレギュラーを掴むために、何が必要か。その答えは西浦自身が探さねばならないでしょう。
その答えに辿り着くまでに西浦が歩む道は、同じ野球だけでなく、他の世界の人にとっても一筋の光となるはずです。