場所前は新大関の豊昇龍に期待が集まりましたが、その豊昇龍は新大関の重圧か早々に優勝戦線から脱落。2場所目にしてカド番を迎えた霧島も優勝争いには加われず、横綱照ノ富士が休場し大関に期待がかかる中で、存在感が薄くなってしまった場所でした。
代わりに場所を引っ張ったのは、再入幕の新鋭熱海富士。9日目に勝ち越しを決めた後も白星を重ね、一時は2番手に2勝差をつけるなど優勝候補の大本命となりました。
しかし熱海富士は上位との対戦で力の差を見せつけられる間に混戦となり、こちらもカド番の大関貴景勝が意地を見せて本割の時点で熱海富士と同点、11勝4敗で並びました。
優勝決定戦では貴景勝が変化に動き、熱海富士を下して4回目の優勝を飾りました。「大関が平幕相手に変化」と言うことで相撲ファンの物議を醸していますが、筆者としては貴景勝を責める気にはなりません。大関としての使命、そして何より貴景勝の「横綱になる」と言う意志が、より勝てる戦術へ舵を切ったのだと思います。だからこそ貴景勝にとっては次の九州場所が大事で、これまで優勝直後の2場所とも途中休場している貴景勝が「翌場所を皆勤する」のは綱取りへの絶対条件。11勝4敗での優勝と言うことでハードルは高くなりますが、なんとか悲願を成就して欲しいと思っています。
番付予想、まずは幕内。
三役は小結が入れ替わるだけでしょう。三役復帰へ期待の声も大きい朝乃山に関してですが、筆者は「西2枚目9勝で、2人上位の候補がいる」なら「無理に上げる必要はない」と思っています。が、そこは如何せん朝乃山なので、審判部が小結に上げる可能性は正直否定し切れません。まあ幕内か小結かは朝乃山が得するかしないかだけの問題なので、率直なところどっちでもよかったりはします。
今場所の平幕は満遍なく勝ち越している力士と負け越している力士が散らばっているので、筆者の予想だと勝ち越し力士の上がり幅が渋くなったなと感じています。
昇進に関しては友風、一山本、東白龍、美ノ海、狼雅の5人で順当だと思います。星数で言えば落ちる力士のほうが多いんですが、上げる力士が追い付いていないのでこれでいいのかなと。琴勝峰は半枚差で泣くことになるんですが、まあ幕内・十両間は目立って待遇が変わらないしいいかなと…………。
続いて十両。
基本的には幕内と同じことが言えます。ここでは大の里が星数ほど上がらない予想ですが、かと言って下げる星の力士もいないので…………(大翔鵬と入れ替えて西5枚目はあるかも知れない→大翔鵬と千代翔馬は逆です。画像がミスってる)。予想としてこれを言うと不適格になるんですが、多分大の里は今場所の調子で行けば来場所も2ケタは勝ってくれるでしょう。11勝すれば運が悪くなければ新入幕に適う星となるので、そこに期待します。
昇進は日翔志、英乃海、勇磨の3人と予想。ここ最近は幕下6枚目以下は全勝しないと上がれず、候補には上げてもいい東6枚目の尊富士は5勝2敗なので、上げる理由がないと予想します。その分陥落相当でもラッキーで残る力士がいますが、ちょっとその数が多すぎるので、幕下からの昇進組が10～11枚目まで上がってしまいました。
