東海ちなヤクの巣@パワプロと大相撲番付予想

スポナビブログから引越し。スポナビブログ時代は、プロ野球(東京ヤクルト)を中心に、大相撲の話もちょろっとしてました。はてなブログでは、パワプロと大相撲(番付予想)を中心に展開していきます。

百聞は一見に如かず。日本選手権で見た「ルーキー」の躍動。

もしかしたら今頃京セラドーム大阪で野球を見ていたかも知れない、と言うのはプロ野球のことではなく、現在終盤を迎えている社会人野球は日本選手権のこと。
東京ヤクルトスワローズからドラフト2位指名を受けた大下佑馬が在籍する三菱重工広島が、きのう2回戦で新日鐵住金かずさマジックと対戦したものの残念ながら敗戦。同じく日本選手権出場選手で、ドラフト4位指名の塩見泰隆が在籍するJX-ENEOSは初戦で日本生命に敗れたため、東京ヤクルトが指名し日本選手権に出場した2選手はここで姿を消すこととなりました。


↑ちなみにこれは直接東京ヤクルトとは関係ありませんが、元ヤクルトで現在ヤマハに所属するツギオ(佐藤二朗)の、1回戦対パナソニック戦第1打席のタイムリーヒット。ツギオはこの試合4安打の固め打ちという大活躍を見せましたが、チームは逆転負けを許してしまいました。

 





ところで。
このブログはスポナビブログから引越して2回目の記事更新となりますが、そのスポナビブログでドラフト直後に指名選手の紹介をしたことがありました。
とは言えドラフト当時のTwitterのタイムラインが2位大下・3位蔵本・4位塩見の並びを見て「誰?」「他にもっと獲るべき選手がいるだろ」という反応が多くを占め、かつ野球系の雑誌やネット有志(ファン)のいわゆる「ドラフト採点」でも基本的に低評価を頂くという感じになってしまいました。
ちなみに今年のそれで強く感じたのは、「採点者」は「自分の知っている選手を多く指名した球団に高得点を与える」だけで、球団の補強ポイントや内情をあまり重要視していないな、と言うこと。自分がよく閲覧している某ブログは「(評価が)低いというよりさっぱり分からなかった」「良い悪いではなく毎年恒例の理解不能の独自路線」とまあボロクソ言ってくれたわけですが、腹は立ってもこう言いたくなる気持ちもわかる。
ただ、プロのスカウトとアマチュアのファンレベルでは見えている範囲が大きく違う。プロのスカウトは指名した選手に可能性や活躍へのビジョンを見出しているだろうし、ファンが望む選手と現場を熟知しているスカウトレベルでは思考も変わってくるでしょうからね。2011年ドラフトだって2014年ドラフトだって、指名した選手が(全く)活躍出来なかっただけで方向性はある程度理解できます。



さて、本題。
なんだかんだ御託を並べたとはいえ、やはり大下、蔵本、塩見の3人はどうしても情報量が少なくなるのは否定できない事実。
そこで、現在開催されている社会人野球日本選手権に実際に赴いて、ここに出場する大下と塩見を一度生で見てみようと言うことになりました。
ちなみに大下、塩見とも動画を撮っていたんですが、メインアカウントではアップロードしていないこと、そしてiPadで撮影したのをPCに移動させることが(執筆時点で)出来ていないので、この記事に動画を添付はしていません。Twitterで「日本選手権 大下or塩見」などと検索をかけて探せば出ていますので、お手数ですが動画を確認したい方はそちらをどうぞ……。

まず塩見に関しての感想。
1回戦の対日本生命戦は5打数1安打。序盤2打席が体勢を崩されて三振、ファールフライと結果を出せませんでしたが、第3打席はうまく肘を折りたたんでレフト方向へのヒット。そのまま3塁まで進み、併殺の間に得点まで記録しました。
4打席目、5打席目は内野ゴロでの凡退でしたが、右打者ではあるけれども走り出しが早く、単純な走力もあるのは確認できました。打席の動画撮影に中心を置いていた(この試合は他に、JX-ENEOSの巨人6位・若林晃弘と日本生命の横浜DeNA2位・神里和毅の全打席も撮影していました)ので守備までは確認しきれませんでしたが、他に観戦された方の感想をまとめると肩が強く、俊足を生かして守備範囲もある程度広いとのこと。
情報が少ないながらも「アスリートタイプ」という評価があって、見た限りでは筆者もそうだろうなとは思います。24歳でのプロ入りと言うことで、これは山崎晃大朗と同級生で外野手陣では(これでも)最年少。立場を考えれば出来れば早めに一軍の舞台を踏んでおきたいところですが、半レギュラーとして一軍で早めに経験を積ませてもよし、1年間二軍で英才教育を施して2019年以降に勝負をかけてもよし、将来的には十分活躍を見込めるだけの力量がある選手だと思います。

そして大下の感想。
スカウトこそ先発で期待という評価でしたが、リリーフで登板するのかと思いきや初戦は予想外の先発。JR東日本との対戦でオリックスドラフト1位の田嶋大樹との投げ合いとなりましたが、結果はその田嶋に投げ勝って7.2回を5安打1失点の好投。チームの勝利に大きく貢献しました。
ピッチングスタイルとしては、先発として登板した1回戦は最速146キロくらい、緩急を突いたピッチングで相手打線を翻弄。7.2回で与四球2個は及第点の制球力で、変化球もキレていたし直球もコントロールされていて「まとまった投手だな」という感じ。確かにこのピッチングを安定して続けられる、もしくはもう少しプロでパワーアップできれば先発ローテーションとしての活躍も見えるかなぁ、と思います。
2回戦、対新日鐵住金かずさマジック戦ではリリーフとして登板。リリーフでは球速が上がって最速149キロをマークし、1.1回を投げて無失点という結果でした。
タイプとしては石山泰稚を挙げる声が多く、言われればそうかなと言った感じ。石山も入団後に球速が上がっているので、もしかしたら大下も石山と同じような系譜をたどるかも知れない……し、また違った成長を見せるかも知れない。日本選手権では好調な類だったと思いますが、あのピッチングを常時出来るようになる、もしくは不調の時でもある程度まとまったピッチングを習得することが出来れば、大下はむしろ「2位で指名してよかったね」と言える投手になれるのではないかと思います。言うのは簡単ですけどね……。



と言うわけで、とにもかくにもやっぱり選手は「生で見ておくべきだな」と痛感したのが今年の日本選手権。
知らない選手を「知らない」とこき下ろすのは簡単ですが、縁があってくるわけだから出来るだけ情報は知っておきたいし、そして歓迎もしたい。
その点では、今年の大下と塩見に関しては特に「見に行ってよかった」。プレーを見て、実際に活躍出来るだけのビジョンが見えたのは大きな収穫でした。彼らが神宮の舞台で活躍する日が来るのが、今から楽しみです。