五日目を終えて千代の国はヌケヌケの3勝2敗。中盤はさらに星を伸ばせるか、という情勢になりそうな2017年九月場所。
しかし今場所は荒れに荒れており、五日目の時点で既に3横綱1大関が欠場するという波乱ぶり。残った上位陣も一人横綱を張る日馬富士も五日目に阿武咲に金星を許すなど3連敗、六日目には大関・照ノ富士が休場するなど、序盤にして既に予測不可能の展開を演じています。
六日目○ 対貴ノ岩(はたき込み)
立ち合い1回目は千代の国が焦って取り直し。2回目は激しく押して貴ノ岩を仰け反らせて体勢を崩させ、最終的にははたき込んで4勝目となりました。
七日目● 対荒鷲(寄り切り)
立ち合いは激しくぶつかり合い。しかし荒鷲に上手を許し、小手投げを決めきれず荒鷲の形で決められてしまいました。粘りはよかったんですが、結構無茶をしたような取り組みだったのでひやっとしたところ……。
八日目○ 対石浦(はたき込み)
今場所ここまで2勝5敗と不調の石浦が相手。しかし立ち合いで(千代の国がやや上にかぶさった感もありますが)石浦がすぐに手をついてしまうというあっけない決着に。千代の国がどうこうよりかは石浦の不調のほうが心配になる、そんな取り組みになってしまいました。
九日目● 対豪風(切り返し)
立ち合いは頭で当たり合い。激しい突っ張りの後豪風にもろ差しを許し、途中腕を切って投げにもかかりましたが、最後はその投げを失敗しバランスを崩したところを切り返されて転倒。総じて強引なきらいがあった取り組みだったかなと思います。
十日目○ 対大栄翔(突き落とし)
立ち合いは仰け反るほどのぶつかり合い。そこで大栄翔がよろけたところ……やや腕をたぐったか、ともかく素早く後ろに回って難なく押し出した格好でした。これで対大栄翔戦は幕内で3戦全勝。
十日目を終えて千代の国は6勝4敗、白星が2個先行。
終盤に向けて、まず勝ち越しを決めるには2番取ればいいという状況ですが、来場所に向けてより番付を上げるという意味では勝てるだけ勝って欲しいところ。中盤は危なっかしい取り組みも多かったので、ケガだけは本当に気を付けてほしいと思います。
幕内全体では、十日目の石浦ー宝富士戦がコミカルで面白かったのが何より強く印象に残った取組。
優勝争いは九日目で今場所の一人大関・豪栄道が勝ち越しを決め、二敗で千代大龍が追う格好。一人横綱の日馬富士は十日目に貴景勝に金星を許すなど四敗に後退し、三敗で阿武咲以下6人が追うという様相となりました。
混戦の秋場所、果たして優勝の賜杯を誰が手にするか、目が離せなくなってきましたね。