東海ちなヤクの巣@パワプロと大相撲番付予想

スポナビブログから引越し。スポナビブログ時代は、プロ野球(東京ヤクルト)を中心に、大相撲の話もちょろっとしてました。はてなブログでは、パワプロと大相撲(番付予想)を中心に展開していきます。

異世界の同級生と偉大な先人、そんな2人と歩む道。 【#14 秋吉亮】

秋吉亮という「人物」を語る上で、読者の皆さんは何を連想されるでしょうか?

Twitterで流行った「#頭のいい人と悪い人の物の見方の違い」ではありませんが、秋吉というお題ひとつでも「東京ヤクルトスワローズ」「投手」「サイドスロー」「WBC日本代表」などと、様々な単語を連想できる方は出来ると思います。

 

その中で、今回秋吉とつながりのある2人の人物と対比して、今回は記事を進めます。

 

 

 

まずは同じ野球のほう。

秋吉は昨季、プロ野球で史上2人目となるある記録を樹立しました。それが「入団3年目以内での通算200登板達成」です。

では最初に誰が達成したかと言うと、その名は「稲尾和久」。言わずと知れた、西鉄ライオンズの「鉄腕」投手です。

 

とは言え、この稲尾と秋吉で「200登板」の意味は違います。

稲尾が活躍し、また通算200登板を達成した時代はまだ2リーグ分立直後の1950年代。先発ローテーションなんてものはなくエースが先発からリリーフまでとにかく投げまくる時代で、レベルも現代野球に比べれば低いと言って語弊はあれど差支えはない、そんな時代です。

対して秋吉は、投手分業制が確立されて野球という競技のレベルも上がっている2010年代(=現代)に達成された記録。現代でも中継ぎ酷使という課題はありますが、そもそも稲尾と秋吉とでは同じ200登板と言えど価値が違うのです(この場合の価値とは、どちらに優劣があるとの問題ではありません)。

 

数字を出すと、入団後3年間で稲尾が記録したのは201登板89勝22敗、投球回は実に1009イニングに及びます。

それに対し秋吉は205登板、12勝9敗24セーブ51ホールド、投球回は217.1イニング。

もう一度言いますが、数字の大小で優劣が決まるというわけではありません。中継ぎの過酷さを思い知れば秋吉の記録も立派であることはわかるでしょうし、そもそも現代野球では稲尾の記録はアンタッチャブルレコードです。

 

だからこそ、役割や意味合いが違えどこの先、秋吉はある程度稲尾の記録と比較されることもあるかも知れません。その時に、一番気にかかるのは故障です。

ともに「鉄腕」と言っていい全盛期から、秋吉は今季プロに入って初めての戦線離脱を経験し今季は39登板止まり。

稲尾は、当時としても「もった」ほうになる8年目まではバリバリ活躍していましたが、9年目の1964年に右肩を故障し、以降精彩を欠きました。

 

何度でも言いますが、あくまで稲尾の時代と秋吉の時代では単純比較はできません。秋吉が数字で稲尾に張り合えるとすれば、それは登板数だけです。

ただし、稲尾はケガで1964年に初めて0勝と勝ち星を挙げられずに終わりながら、1965年に復活して38登板13勝をマーク。翌1966年には最優秀防御率のタイトルも獲得しています。

稲尾はケガを乗り越えて復活しましたから、秋吉もケガを乗り越えてさらに強くなってほしい、それくらいは比較して言えるのではないかなと思っています。

 

 

 

もうひとり、秋吉とつながりのある人物を挙げましょう。

その人は「千代大龍秀政」。大相撲で活躍する力士で最高位は小結、秋吉とは都立足立新田高の同級生にあたります。

 

高校時代に千代大龍と秋吉がどれだけ面識があったかはわかりませんが、一方は大相撲の世界で「一人前」とされる関取の地位で、一方はプロ野球の世界でセットアッパー・クローザーとしてともに活躍。2017年WBCでは千代大龍が秋吉にメッセージを送ったこともあったらしく、競技は違えどともにプロのトップレベルで張り合う同級生がいることは互いに刺激になるのではないでしょうか。

 

ちなみにこの記事を書くにあたって、「競技こそは違えど、何か数字で競られるものはないのかな」と思っていろいろ探しましたが、微妙に合わずこの案はボツになりました(笑)。

そのついでで成績もじっと見てみると、千代大龍が新入幕を果たしてから1年間を通して幕内に在位していたのは2014年と2015年の2年。2016年、そして今年と何場所か十両陥落も経験し、学生横綱経験者ながら糖尿病などの持病、そしてケガなども相まって本領を発揮できていないのが垣間見えます。

あともうひとつ千代大龍について述べると、直近の九月場所で千代大龍は3横綱2大関が結果的に休場するというチャンスで一時期は優勝争いに絡みながら、11日目から5連敗を喫するなどして最終的には8勝7敗の勝ち越しひとつに終わるという、傍目から見ると「非常にもったいない」場所を過ごしました。優勝争いに絡むポテンシャルはあるものの、終わってみれば星ひとつで辛うじての勝ち越し。なんとも忸怩たる思いを、本人が一番抱えているだろうと思うのです。

 

だからこそ、ふたりが「一人前」から「超一流」にさらなら脱皮を果たすその証拠として、どちらも「優勝」が欲しい。

秋吉のほうは、2015年に所属する東京ヤクルトがリーグ優勝を果たしたことで一応は経験しています。しかし「日本一」はありません。

千代大龍も、2012年の十両時代(初場所、そして新十両)に一度優勝を経験しています。しかし「幕内最高優勝」には届いていません。

 

出来れば同じ年、……千代大龍のほうはまだ11月場所がありますが……、そうでなければ出来るだけ早い段階で、秋吉のいる東京ヤクルトの「日本一」と、千代大龍の「幕内最高優勝」を見られたら、それは(どれだけ人数がいるかはわかりませんが)「スワローズファン兼好角家」にとってはある種望むべき展開なのではないかと思います。

少なくとも筆者は、一番好きな力士こそ千代大龍と同じ九重部屋の千代の国ではありますが、秋吉との縁もありますし応援していますから、是非見たいですね。